2007年4月14日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】政府は十二日、税制改革の一環として税金の簡素化にともなう企業の減税措置を実行に移す意向を明らかにした。細則はまだ煮つめの段階で、国会の承認を得るための上程は七月か八月になる見通しとしながらも、その骨子を公表した。
それによると、企業の売上総額を対象とした付加価値税(IVA)と呼ばれる単一課税を導入し、算出方法を簡素化するのが特徴となっている。これにともない減税も可能となる。これまでは企業の売上に対し種々の税金が課せられたものが、すでに課税対象となった項目を差し引いた上で、賃金や利益を加算したものに課税される。
つまり、これまでの売上ベースから生産重視の形となる。これにより連邦税では社会保険融資納付金(COFINS)、工業税(IPI)、社会統合基金(PIS)、経済支配介入納付金(CIDE)が統一され、州では商品流通サービス税(ICMS)がこの対象となる。
政府はゆくゆくは市のサービス税(ISS)も含む方向で調整していくとの意向を示している。IVAとICMSの相違点は、ICMSが資本財と輸出に対して免税となっていたのに対し、IVAはこれに加えて投資も免税としている。またIVAの税率は政府が設定し、州の権限は削減されることになる。
四日に横すべりで財務省経済政策局長に就任したアッピー局長は、今回の措置は投資促進を目的とした税制改革だと言い切る。同局長は、これまでの税制は不透明で理解し難く、かつ一貫性に欠けているとし、これが原因で年間二〇〇億レアルに及ぶ投資を失っていると指摘している。
また、たとえ投資しても税金が複雑で高率なことから、いわゆる投資回収の償却費などが高く見積まれ、投資に二の足を踏む企業がほとんどだとして、簡素化および減税で投資意欲を盛り立てたいとの考えを示している。
さらに各州が企業誘致に種々の条件を提示して過熱状態となっており、最終的にはインフラ整備のそろった大都市に集中する傾向を防止するために、最大の恩典となるICMSの免税を規制し、地方都市との格差を解消するのも今回の措置の狙いとなっていることを強調している。