2007年4月14日付け
「人生アプロヴェイタが大事」――。
ブラジル農業・語学研修生の臼井洋明さん(28、鹿児島県)が帰国のあいさつのため九日来社、一年間の研修生活を振り返った。
同研修制度は鹿児島県人会創立九十周年を機に、ダイドー商事の園田昭憲社長(現県人会長)が企画・援助し、県、県人会の協力により始まった制度。今まで十五人が研修しており、今月十二日には、新たに二人の研修生が来伯した。
五期生となる臼井さんは、アチバイアの園田農場、サンパウロ市近郊にあるファヴェーラ、モンチアズールや弓場農場などで研修を積み、鹿児島県人会HP(http://www.geocities.jp/kagoshimabr/)の作成も行った。
「全く違う環境でたくさんのことを学ぶことができました」。日本では〃自分と世間〃という二つの世界しか感じることができなかったという臼井さん。ブラジルで様々な体験をすることで、自分の世界も広げたようだ。
研修期間中は、リオ、クリチーバ、オウロ・プレット、パンタナールなども訪れるなど見聞を深め、帰国旅行ではバイーア、アマゾンを約一カ月堪能した。
「ベレンからマナウスまでの船ではヘージ(ハンモック)に慣れずに寝不足が続きました」。変わらない料理とアマゾンの水面にゲップが出る日々だったようだ。
「ようやくマナウスに着き、船中で知り合った家族の家に泊めてもらったんですが、そこもヘージしかなくて」と笑う。ブラジルの家庭に溶け込み、家の子供をあやしたりと、一人旅ならではの体験もしたようだ。
帰国後は、「日系社会で地に足をつけて何十年踏ん張ってきた人に会ったことが勉強になった。自分も地元鹿児島で頑張りたいと思っています」と表情を引き締める。
「アプロヴェイタって言葉が大好き。利用するっていう方ではなく、満喫するって意味で。人生をアプロヴェイタする方法をブラジルで学びました」。
女性との素敵な出会いは? と水を向けると「いやあ、そっちの方はあまりアプロヴェイタできなくて後悔してます」ときっぱり答え、屈託なく笑った。