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好調維持する自動車業界=第1四半期も記録更新=国内バラ色、輸出は暗雲=ローン長期化も貢献

2007年4月13日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】自動車業界は今年三ヵ月間の第1・四半期が史上最高の販売を記録したのを受けて、年内売上予想を二二一万台に上方修正した。昨年対比一四・五%増となる。これにともない生産も昨年比六・五%増の二七八万台とし、過去五〇年の歴史で最高となる。これは国内市場の好調によるもので、新しい算出方法でのGDP成長の安心感、国民所得の増加、月賦ローンの安易かつ長期化が反映された。しかし、輸出市場は相変わらずのドル安で競争力を失い、業界では昨年並みの実績を維持したいと模索している。国内市場がバラ色なのに対し、輸出は暗雲がたちこめており、業界では対策を迫られている。
 昨年末に於ける業界の二〇〇七年度展望では販売が七・七%増、生産が三・八%だった。これが今回の修正でほぼ倍増の形となった。今年一月から三月までの第1・四半期では販売および生産がともに史上最高となったことで見直されたもの、生産はこの期間、六五万五二〇〇台に達して昨年同期比四%増となり、前月(二月)対比では二一・一%の大幅増を記録した。
 販売(軽トラック、トラック、バスも含む)は四九万三一〇〇台で一八・一%増となった。このうち一九万三四〇〇台が三月度で、単月で史上二番目の売上台数となった。
 この原動力となったのが月賦ローンの普及で、過去十二カ月間で二四%の伸長を見せ、三月の時点で六五〇億レアルに達した。ローンの長期化も大きく貢献し、一年前では三六回均等払いが三四%だったのに対し、今では四九%と上昇した。現在七二回払いもお目見得している。
 車種別の今年第1・四半期での販売は、軽トラックが一八・六%増の四六万八六〇〇台、トラックが一三・五%増(二万台)、バスはマイナス二・八%(四四〇〇台)だった。農務用機器が二四・三%増の七二二八台でサトウキビ、大豆、トウモロコシや鉱石業界の活況に支えられた。燃料共用のフレックス車は八二・八%のシェアを占め、発売以来四年間で三〇〇万台に到達した。
 いっぽうで輸出は三カ月間で一八万二一〇〇台、昨年同期比九・五%の落ち込みと振るわなかった。金額的には〇・六%減の二七億三〇〇〇万ドルだった。業界では輸出の見通しについて未発表だが、せめて昨年実績の一二一億ドルを維持したいとの意向を示している。このためには、ドル安の為替相場を跳ね返す長期的な体質強化が不可決だと強調している。
 これと並行して輸入車は第1・四半期で一二五・九%増となる四万三〇〇〇台となった。その八〇%がメキシコとアルゼンチン製で、自動車メーカーがブラジルで現地生産していない車種を輸入している。両国はブラジルと関税恩典同盟を絡んでおり、輸入車の関税は免税となっている。このため業界は他国製も合わせ、今年の輸入は二〇万台になると予想している。〇六年度は一四万一八〇〇台で、〇五年度は八万八一〇〇台だった。
 中でも今注目されているのが、ブラジル上陸間近とされている中国製CHANA車と、ウルグァイで生産を開始したCHERY車で、その攻勢が国内メーカーの懸念材料となっている。