2007年4月12日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】マンテガ財務相は十日、金融機関の貸付に課税されてきた金融取引税(CPMF、一般的には小切手税と呼ばれてきた)を免税とすることを発表した。対象は個人、企業を問わず広い範囲の貸付融資に適用するもので、ただし一括廃止とするか、あるいは二〇〇八年から段階的に廃止するかは未定となっている。
同財務相は今回の免税について、現在のブラジルの金融コストが高率なのは貸付融資が最大の原因となっていると指摘。今回の免税と合わせ、金利引き下げ傾向の抱き合わせで、資金調達コストを引き下げるのを目的としたものと説明している。
これを裏付けるように中銀のデータによると、二月の貸付金利は平均で年利三九・七%、スプレッド(融資資金の運用金利と貸付金利の差額)が年利二七・六%、シェッケ・エスペシャルは年利一四一・二%になっている。今回の免税で国庫税収は四〇億レアルの減収となるも、長期的な金融政策の観点からやむを得ないと説明している。
しかし国会筋では、財務相の説明はあくまでも建前であり、本音はほかに意図するところにあると指摘している。金融取引税は暫定令であり、これまで幾度かの期間延長を経て今年で期限切れとなる。税収は年間三二〇億レアルに上がり、国庫としては不可欠な財源となっていることから、政府は二〇一一年までの延長を狙い国会に上程する。
これに対し国会では以前から廃止あるいは現行の〇・三八%の引き下げを求める声が挙がっている。政府はこれら反対論を切り崩すために今回の一部廃止に踏切ったと見る向きが多い。
今回の措置に対し金融筋では歓迎の意を表しているものの、商業界では一部への恩典だとして不満の声が挙がっている。