ついに日本政府主導の総合広報施設が、ここサンパウロで設立に向け動き出した。「日系社会とは二人三脚で」と、外務省が強調したジャパンハウス構想だ(9月2日付け既報)。
県人会長などから「コロニアもこの機を逃してはいけない」という声が聞こえるが、互いの思惑が多少ずれている感じがする。コロニアが期待するのは、日系社会を支えるような役回りだろう。
だが、政府側は日本に味方する国際世論の獲得が第一目的だ。日本文化を通して外国人に日本を好きになってもらい、領土問題や反日感情に対抗するという、どちらかと言えば外国人向けの施策のようだ。
〃日本応援団〃の筆頭である日系人を取り込むため、二人三脚という言葉が表れたのだろうが、ジャパンハウス設立の目的に「日系社会を支援する」という一文を明記してほしい。それが相思相愛の近道では?(祐)