2007年4月11日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十日】税制面の優遇措置を売りにした州間の企業誘致合戦や、より安価な労働力を求めた企業の地方移転などを理由に、工業部門の国内総生産(GDP)でサンパウロ州が占める割合は、一九九六年の四九・四%から二〇〇四年には四〇%に低下した。
サンパウロ州工業連盟(Fiesp)は九日、州データ分析システム(Seade)との共同調査の結果をまとめた「サンパウロ州工業地図」を発表した。それによると、サンパウロ市と周辺九都市がサンパウロ州工業部門のGDPの六一・八%を占めた。サンパウロ市は一五・六三%でトップを維持したが、二位のカンピーナス市が一四・四五%と接近している。以下、グアルーリョス市(五・四三%)、サンベルナルド・ド・カンポ市(五・一六%)、ジュンジアイー市(四・二六%)と続いた。
同部門の給与総額をみると、同じく十都市が六三・一%を占めた。サンパウロ市が二四・六%と二位のカンピーナス市(六・五%)を大きく引き離したが、平均給与額ではサンジョゼ・ドス・カンポス市が三二一二レアルとトップ、サンベルナルド・ド・カンポ市(二四八九レアル)、カンピーナス市(一八二七レアル)と続き、サンパウロ市(一七〇二レアル)は四位に留まった。
工業部門の牽引車としての地位が低下したサンパウロ州だが、高度な技術力を必要とする部門は低下幅が小さく、工場が他州に移転しても本社は残るなど、手足から頭脳への役割の変化も表面化してきている。