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世は変革、不確定の時代=大企業といえども免れない

2007年4月11日付け

 【エザーメ誌八八九号】大企業といえども、大船とはいえない。現代は変革の時代で、不確定だけが確かな時代といえる。現在の不確定の中での決定が、未来を決める。コダックのCEOに抜擢されたアントニオ・ペレス氏は、悩めるコダックの姿を見た。
 コダックは一九七〇年代、カメラとフィルム業界のシンボル的存在として市場を支配していた。それが九〇年代に入るとキャノンやニコンのデジタル・カメラに王座を追われ、コダックは語り草になった。
 IT時代は人間をアナログ人間とデジタル人間に色分けした。ものごとの考え方や概念も変わった。アナログ的発想は過去のものとなり、ゴミ箱に捨てられた。コダックは全製品をデジタル式に切り替えたが、それでも市場関係者から一歩先を行けと厳しい批判を受けた。
 時代の変革とか会社が生まれ変わるとは、未知の世界への挑戦だ。コロンブスが未知の世界へ乗り出したのと同じだ。企業のトップや会社の運命を決断する管理職は、結果の是非にかかわらず不確定の世界へ乗り出さざるを得ない。それは避けられない宿命といえる。
 当事者は暗闇を蛍の光を頼りに歩くようなもの。ブラジルの進路や会社が取り組むべき道は、どこにあるのか。現象が会社を変革する。大企業は旧方式を強化するだけで、抜本改革を行わない。旧弊と構造的欠陥がジャマして、革命的な変革ができない。
 しかし、化粧品の大手AVONはそれを決行した。新製品の開発期間を徹底的に短縮させ、銘柄への依存と保守的イメージを一掃させた。職級を簡素化し、三〇〇〇人解雇で人件費を七億ドル浮かせ、新製品開発と市場調査、人材教育につぎ込んだ。
 革命的変革はリスクを伴う。どの業界にもライバルがあり、画期的変革に賭けているかも知れない。ブラジルでは、消費者の要求レベルより少し上を提供することが成功の秘訣らしい。企業の判断と市場の需要はいつもずれていた。しかし、変化は不断に起きる。企業の前向きな熱意は消費者にも伝わる。
 金融界は中流以上が銀行へ、CDクラスは信用金庫という形が出来上がった。高く止まっていたシチーが下界へ降り、業績を大きく引き上げた。銀行は一斉に信用金庫を増設して構造改革を図った。
 決断は薄氷の上を歩くようなもの。スーパーの大手ウォルマートは経費削減と薄利廉売に賭けたが、従業員を酷使するという悪評で不買運動を起され、売上が落ち込んだ。トップは再々テレビに出演してイメチェンに努めたが、効果は少なかった。ウォルマートがどんな手を打つか、拝見しようではないか。

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