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警備関連の求人急増=物騒な世相を反映=従事者、20年で4.6倍に

2007年4月10日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】犯罪が多発している物騒な世相を反映して、警備関連の求人が急増している。サンパウロ州立カンピーナス大学の研究グループが労働省の登録をもとに分析したもので、とくにサンパウロ州とリオデジャネイロ州で、直接あるいは間接的に警備に従事する職業が著しい伸びとなっている。
 サンパウロ州では一九八五年にこれらの職業に従事する人は全体の三%相当の九万五六〇〇人に過ぎなかったのが、二〇〇五年には全体の八・八%相当の四四万六〇〇〇人に膨れ上がり、三六六・五%の増加となった。この過去二十年間での正規雇用の伸びが五九・六%だったことから、警備関連の伸びは突出した形となった。
 リオ州では八五年、全体の三・五%相当の六万七八〇〇人から〇五年は一〇%相当の二四万五二〇〇人となり、二七〇%の上昇となった。この期間の全体の伸びは三〇・六%に過ぎなかった。
 この期間の推移を他の職業と比較すると、サンパウロ州では最も増加率の高い教師の職が三八・二%、逆に最も低かったのが銀行員でマイナス七二・八%だった。リオ州ではそれぞれ三九・三%増、六〇・六%減というコントラストぶりとなった。
 研究グループはこの統計はあくまでも正規雇用であり、氷山の一角に過ぎないと指摘している。非正規雇用、夜警などの無登録警備員、警備のコンサルタント、企業やマンションといった独自の警備要員(社員や管理人として登録)などを合わせると、実数はかなり上がるとみている。
 警備員派遣会社も時流に乗り成長している。〇四年創業のニテロイ市の会社は現在一〇〇人の警備員を抱え、いずれも中等教育(高校)卒業の学歴で平均給与は七八〇レアルだという。また求人応募は常時一〇〇人を下らないとしている。
 これにともない速成訓練所も出現、リオ市では五二〇レアルで三週間のコースもお目見えしている。この期間に武器取扱いなどを習得する。訓練生は月給八〇〇レアルの夢の実現に期待している。