2007年4月5日付け
「一体、文協はどうなるんですか?」。イタペチニンガ在住の文協評議員、尾崎守さんから心配した様子の電話があった。今は分裂すべき時期ではない、と誰もが感じている。尾崎さんは「たった七百人しか投票しないで全伯の代表はないでしょう」と手厳しい。サンパウロ市内での勢力争いばかりしていると、全伯から〃コップの中の嵐〃と揶揄されるのが関の山だ▼先月マリンガで行われた、パラナ州日系団体と伯外務省との百周年会合には、七人の市長と三十市の日系団体代表が集まっていた。パ州の代表団体リーガ・アリアンサには、全州団体が加盟しているから当然か▼ところが最も日系人が多くいるサンパウロ州には、残念ながら全州組織が存在しない。団体でなく会議という形でもいい。アララクアラ、ノロエステ、パウリスタ、汎ソロ、リベイラ、聖南西などの連合会から代表者が出席するような会議は実現可能ではないか。今回はバウルー、翌年はアラサツーバやバストス、プルデンテなどと主要都市を持ち回りにすれば負担は少ない▼そのようなつながりこそが百年祭には必要だ。立派な建物より、広くて密接な人間関係こそ中心団体の宝といえる。文協が音頭取りをして、サンパウロ州団体が団結した組織を作ることで、自ずと相応しい重みがでてくる▼いきなり「全伯の代表」と騒ぐのでなく、まずは足下を固めることが肝要だ。誰が新執行部になったとしても選挙以上の努力を、地方団体との関係再編に注ぐ心構えがいるだろう▼文協選挙関係者には、最後の最後まで、大同団結を前提にした調整を期待したい。(深)