2007年4月4日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三日】陸海空の三軍の総司令官とルーラ大統領は二日、反乱士官の身柄拘束阻止と軍律について話し合った。大統領は空軍士官の業務拒否を無責任行為と認め、反乱行為は軍事法廷で裁くことに同意した。大統領が失策を理解し秩序を回復したので、空軍は三日、平常通り航空管制の勤務に就いた。反乱士官らは、予算管理相との合意に基づき原職に復帰。反乱看過が軍全体へ及ぼす由々しき影響を訴えた斎藤空相の警告が政府の譲歩を促した。その経過説明は、軍検察官の反乱起訴状に明記される。
ルーラ大統領は、キャンプ・デーヴィットの首脳会談へ旅立つ間際の出来事で、反乱分子の身柄拘束について考える余裕がなかったと弁解した。軍律違反の看過が軍の秩序崩壊につながると、事の重大性を三軍の長が指摘した。軍の秩序崩壊は、大統領の権威をも軽視する国家崩壊につながる可能性があるという。
大統領は反乱士官の身柄処分について空軍司令部へ一任し、大統領の身柄拘束阻止は再考とした。報道官談話によれば、軍事法廷で有罪判決が下された後、政府は何らかの反乱分子の減刑措置を施す考えらしい。反乱士官の原職復帰は、予算管理相の合意書への代理署名が動機という。
その合意書第一条は、反故になったと斎藤総司令官が明らかにした。判決後の減刑措置は空軍総司令部の合意に基づくもので、政府の独断ではないという。軍検察官が作成する反乱起訴状は、政府管轄外で行う。悪例が前例とならないよう根絶することが総司令官の狙いで、起訴状は総司令官の指示によるものではないと言明した。
軍部は大統領の再考措置だけでは問題の根本解決にならないという。予算管理相との合意が履行されなければ、業務拒否の再発は予想される。大統領の身柄拘束阻止が、ごねれば要求が通るという妙な考え方を軍部内に植え付けた。
大統領の譲歩で秩序回復といっても、反乱分子の処罰がないなら反乱は再発する。次回の反乱は総司令官でさえも手を焼くと思われる。空軍司令部は、管制官の身柄拘束が引き起こす事態を想定し、軍の懲罰制度を見直している。斎藤総司令官は、再犯に対する重刑処分を提案した。
上官命令が無視されたら、軍組織は成り立たない。軍検察官の起訴状は、軍律の回復を決定するものとされる。政府は反乱分子と会合を重ね、善処を約した。まるで労組の手法である。航空管制を軍管理から引き離し、国家公務員として階級職に順じた待遇を考えているらしい。
軍事法廷の検事は、反乱の原因と首謀者の割り出しを急いでいる。総司令官は捜査に協力する調査官を指名し、四十日以内の報告書提出を命じた。航空管制トラブルが、軍務拒否か反乱に当たるかの審理も行われる。反乱罪は八年以下の禁固に処される。
最高裁は、国の秩序を守る軍の士官による任務拒否は無責任罪に問われ、二十九日の行為は反乱示唆に当たるとの見解を示した。また無責任行為が、政府の乗客に対する物的心的損害の賠償義務を引き起こしたという。乗客からの提訴を受けたら、政府は航空管制センターに対して賠償金を請求する権利が発生する。