2007年4月4日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三月三日】木屑やわらなどの植物繊維を利用したエタノール生産が、世界の注目を浴びている。中国石油公団は一月、同材によるエタノール生産のために米国との合弁で第一工場の年内建設を発表した。
米国も三億八五〇〇万ドルを投じて、よりコストの安い野草や麦わら、おがくずなどの原料を使ったエタノールの生産に入ることを発表した。ブラジルは、大量のサトウキビのバガッソ(絞りかす)を有することで有利といえそうだ。
理論的には、繊維を硫酸や塩酸で加水分解してブドウ糖にする。それを化学薬品か酵母で発酵してエタノールを得る。植物繊維から生産するエタノールは、糖化と発酵を連続工程とするハイドロライズ設備が必要になる。その後蒸留するのだが、工程は簡単でも技術は今ひとつである。
M・デジーニ製作所は植物繊維エタノールの実用化で、二〇一五年の完成を目指している。完成するとエタノール生産の一〇%は植物繊維エタノールとなり、サトウキビの栽培面積を増やさなくてもエタノールは一〇%増える。
Mデジーニが試作した機器は、ピラスヌンガ市のウジナ・サンルイスで稼動している。工程を簡略化したハイドロライズ方式である。残る問題は生産能率である。一トンのバガッソが現在、一〇〇リットルのエタノールになる。
目標は一八〇リットルを目指している。一トンのバガッソにエタノール生産が有利か、発電のための燃料が有利か比較するためだ。廃材利用ではブラジルの一歩先を行こうという米国の思惑もある。