2007年4月3日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】全国各市の税金徴収における失政が、止まるところを知らない増税の原因となっている。ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGV)の経済グループが全国三三五九市のデータを分析して結論を出したもので、市当局の非効率的な徴税、関心の低さが財政ひっ迫の原因となり、なかには単独で市税を課す市も出て市民の生活を苦しめている。
調査は各市の情報網の程度、整備状況、住宅密度、貧困者数、人口当たりの平均所得、連邦政府の交付金などの項目を分析して税収と対比させた。
それによると、わずか九五都市(二・八二%)が合格点に達するにとどまった。二十六州と連邦直轄区では九州が不適切とされ、州都さえも合格に至らないというズサンさを示した。
また課税が平等さを欠いている点も指摘され、限られた一部の法人や個人の肩に重税がのしかかっていることも明らかになった。高額所得者が低い税率の対象になっている市もある。
さらに連邦政府の交付金の多い自治体では押しなべて市民への税金の恩典が少ないことも浮き彫りとなった。交付金は本来の目的がインフラ整備や社会福祉にあるにもかかわらず、ほとんどの地方自治体では他の用途に使用している。
とくに市庁維持費が多く、なかには行政監督官や管理職の経費が税収を上回るため、交付金で穴埋めしているところもある。市当局関係者の中からも、「徴税に加え、財政支出のまずさ」を指摘する声が挙がっている。
徴税がスムーズにいかないのは全国的傾向だが、とくに地市の小都市では市長などの市政上層部が市民と親密な中となっていることから、厳しい取立ができないという苦しい立場に直面している。なかには滞納した税金の分割払いや、期限内の納税者にクジ引きで家電製品、自動車、バイクなどの商品を提供するなどの苦肉の策を取っている市もある。