2007年3月31日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】パウリスタ・イスラエル協会の会長を務め、ラビのトップの座にあるソベル氏がアメリカで万引の容疑で逮捕された事実が明るみになり、同コロニアはもとより、ユダヤ教関係者に衝撃を与えている。
同氏は容疑を否認しながらも同協会に辞表を提出した。事件の公判はアメリカで四月二十三日に開かれるが、同協会では緊急理事会を開き、辞表を受理した。
アメリカの警察当局によると、事件はフロリダ州パームビーチ市で二十三日発生した。同市でも高級商店街といわれるワース通りで、高級ブランドのネクタイ五本を万引きした疑いで同氏が逮捕された。
同氏はルイヴィットンの店でネクタイを品定めしていたが、手ぶらで店を出た後、店員がネクタイの紛失に気がつき警官を呼んだ。この模様が防犯カメラに映されていたため、同氏は店を出た路上で現行犯逮捕された。
その際、同氏は代金を支払うことを条件に放免を申し出たという。さらに警官の追及に残り四本のネクタイを車中に隠していることを白状し、ネクタイは定価をつけたままで押収された。
ネクタイはいずれも一本一五〇ドル以上の高価な品物だった。同氏は同市の拘置所に収容され、雑居房で一般犯罪人二十一人とともに一夜を過したが、翌日三〇〇〇ドルの保釈金を積んで仮釈放された。
両親がベルギー人の同氏はポルトガルで生まれたが、アメリカの市民権を有している。ブラジルには三十六年間居住し、ラビのトップの座に着いた。今回の会長辞任により、五月に来伯するローマ法王とユダヤ教代表者との謁見の権利を失った。
また同氏の給料は国内のユダヤ教会で最高といわれる二万五〇〇〇レアルで、何故万引に走ったのか議論されているが、犯罪専門家は発作的なものだとみている。それによると、ストレスやアルコール、薬で一時的に精紳不安定に陥り、自分の行動の判断を見失うことがあると指摘している。