2007年3月31日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】二十九日のサンパウロ外国為替市場レアル相場は、前日比一・二一%低下の一ドル二・〇四四レアルで取引を終え、二〇〇一年三月以来のレアル高を記録した。
カントリーリスクも同日、一六九ポイントに低下して過去最低記録を更新するとともに、新興国の平均(Embi Plus)一六六ポイントまであと三ポイントと迫った。
金融市場では、米国の昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)が上方修正され、失業保険の受給者が減少するなどの好材料を理由に楽観ムードが広まった。
また、ブラジルの昨年のGDPの上方修正、政府の基礎的財政収支黒字が二月に六六億七九〇〇万レアルと二月としては〇三年以来の好結果になったこと、公共部門の純債務が〇七年末にGDP比四四・一%に低下するとの中銀予想も、レアル高につながった。
中銀の度重なるドル買いにもかかわらず、今年に入りドルは四・三一%低下した。外貨準備は約一〇七〇億ドルに達している。ドル買いは短期的にドル安を緩和するが、外貨準備の増加が投資家の楽観姿勢を強め、レアル高を進めると指摘するエコノミストもいる。
マンテガ財務相は二十九日、工業界を始め一部産業界への悪影響を懸念しつつも、レアル高はブラジル経済の基盤強化を反映したもので、政府はレアル高に歯止めをかける特効薬を持たないと発言した。