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新会長に森口イナシオ氏=援協=理事会初の複数シャッパ=センター建設に意欲見せる

2007年3月27日付け

 サンパウロ日伯援護協会は二十六日午後、十七日の定期総会で選出された新役員による臨時会議を開き、森口イナシオ理事(二世、72)の会長就任を決めた。森口新会長は「会長に推されたのは驚いた。これからは奉仕の気持ちをもって一生懸命がんばりたい」と抱負を述べた。複数シャッパによる役付け理事の選出は、事務局が確認できるなかではじめて。これまで年功序列を基準に役付け理事を決めてきた同協会。酒井清一前会長に続く二世会長の就任は、援協の世代交代を裏付けたと言えそうだ。
 会議は中田和夫監事の司会で進行、司会役を務める監事三人をふくめ、二十八人が出席した。冒頭、役付け理事の選出方法を定款にそって、出席理事による無記名投票にするか多数決がとられたが、満場一致でシャッパ制により選出が決められた。
 ここまでの流れは慣例通りだが、今回は単一シャッパとならずに、酒井清一前会長の会長続投とするAシャッパと、森口会長を会長とするBシャッパが提出され、無記名投票による多数決がとられた。その結果、十四対十(無効票一)でBシャッパの承認がすんなりと決まった。
 森口会長は、現理事で最長となる二十五年間、援協の仕事を担当。現在は同協会が〇九年の創立五十周年にあわせて計画を進めている「福祉センター建設案」の建設委員会委員長を担当している。
 今回の森口会長の就任に関して、援協のある関係者は、酒井前会長の健康問題を理由に新体制成立を求める声が根強かったこと、「角が立たずに」温和で調和がとれる人材が求められていたことを指摘している。
 森口会長は同センター建設に関して「今回のような建物建設は援協創立五十年を節目に最後になると思う。任期中はしっかりと事業をやりとげたい」と意欲を示す。
 また同会長は近年、福祉団体の申請が難しくなっているとして、「今後は日系社会の援助のみならず、広くブラジル一般社会に貢献できる団体にしていく必要がある」と語った。
 このほか選挙では、山下忠男理事(前援協事務局長)が二期目にして、専任理事に抜擢された。また菊地義治理事が第四副会長から第一副会長に、尾西貞夫前第一副会長は第三に、酒井前会長は役付けとならなかった。
 【副会長、専任理事】。第一副会長=菊地義治、第二副会長=野村次郎、第三副会長=尾西貞夫、第四副会長=坂和三郎、第五副会長=加藤英世、専任理事=山下忠男。任期は〇七年四月から〇九年三月まで。敬称略。