ホーム | 日系社会ニュース | 半世紀の歴史に光あてる=文協=50年史を来月末に刊行=世代超えた座談会も充実

半世紀の歴史に光あてる=文協=50年史を来月末に刊行=世代超えた座談会も充実

2007年3月27日付け

 〇五年に創立から半世紀を迎えたブラジル日本文化福祉協会(上原幸啓会長)は、編纂を続けていた「文協五十周年史」(大原毅編纂委員長)を四月末に刊行する。約千部が全伯日系団体、日本の関係機関に配布される。
 執筆は「文協四十周年史」の田中慎二氏が担当。四十周年史の内容を振り返ったものに加え、新たに加筆、以後十年の記録をまとめた。
 「おおむね順調だった四十年と比べ、過去十年間は批判されることも多かったのでは」と田中氏は指摘、文協選挙、UNENの問題点などを忠実に書き留めている。なお、文協の活動と不可分との考えから、ブラジル日本移民百周年に関してもぺージを割いている。
 座談会にも力をいれ、日系社会を代表するパネリストによって、文協の〃過去、現在、将来〃が三部にわたり展開されている。
 一部では、「文協の五十年を振り返る」と題して、安田ファヴィオ、宮城松成、原沢和夫、岩崎秀雄、水野昌之らの創立会員を中心に、脇坂勝則(サンパウロ人文科学研究所顧問)、山内淳(文協元会長)が半世紀にわたる文協の歴史について語る。
 二部の「文協への要望および展望」では、宮尾進(サンパウロ人文科学研究所)、林アンドレ(愛知県人会元会長)、深沢正雪(ニッケイ新聞編集長)、小山昭朗(ブラジル・ニッポン移住者協会会長)、田中洋典(百周年協会元祭典委員長)、西田康二(子供の園評議員長)らが大いに議論を戦わせている。
 三部では、二部と同テーマでこれから文協の担い手となる二、三世の若い世代が現在の問題点も挙げながら、将来への様々な提案をしている。出席者は、サトムラ・カチア(サンパウロ新聞ポルトガル版編集長)、シグチ・アウド(ニッケイ新聞ポルトガル版編集長)、サトミ・ルミリア(ブラジル日本青年会議所元会長)、秀島マルセロ(文協副会長)、アガリ・クリスチーナ(希望の家理事)、栗田クラウジオ(青年文協現会長)、白石マルセロ(ABUNI元会長)ら七人。
 二年以上文協の活動に協力、同史の編纂コーディネーター役を務めている会長補佐の栗原猛氏(石川島播磨重工業株式会社聖事務所元代表)は、「現在ではコロニアを非常に近く感じ、移民の歴史も勉強している」と話し、以降予定されているポ語版の刊行にもやる気を見せている。
 なお、刊行される四月末には出版記念パーティーも予定しているという。