2007年3月24日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】サンパウロ市当局が市内ゴミ処理の委託業務契約を破棄することを表明したのを受けて、ゴミ処理会社は二十二日、二十六日から無期限ストに突入することを宣言した。
これにより市側と処理会社の紛争が再燃した形となったが、それでなくても苦情が絶えないゴミ処理問題により、市民は新たな迷惑を被ることになる。これに対しカサビサンパウロ市長は、ストは違法だと決めつけ、速やかな妥協に向けて双方が歩み寄ることが肝要だとの考えを強調した。
今回の契約破棄は二〇〇四年の入札で落札したロガおよびエコウルビの両社を中心としたコンソーシアムが対象で、落札条件は二十年契約で一〇〇億レアル、それにさらに二十年間の期限延長の優先オプションが付いている。
当時、同年に行われた市長選挙に立候補したセーラ前市長(現サンパウロ州知事)はかねてからこの契約に反対の立場を表明していたものの、選挙前に時のマルタ市長が契約に署名した経緯がある。
セーラ市長は〇五年に就任してから契約破棄を主張、同年十月に処理会社に対する月々の支払いをそれまでの五〇〇〇万レアルから三三〇〇万レアルに引き下げた。さらに十二月には契約総額を一六億レアル(一六%減となる)とした。
市長に昇格したカサビ現市長もセ―ラ路線を継承、以前からの主張だったコンソーシアムの落札は法的に無効だとして、今年に入り支払いを全面停止とした。その上で今回、契約破棄の意向を表明したもの。
市内ではゴミ回収に四〇〇〇人、清掃関連で八〇〇〇人が従事し、一日当り一万三〇〇〇トンのゴミを処理しているが、業界労組はスト突入につき「悲しい事実だ」としながらも、労働者の権利を守るための唯一の手段だとの考えを示している。
市側ではコンソーシアムとの契約破棄にともない、緊急事態に対応するために臨時委託業者を採用して、当面の問題解決に当らせる意向も示している。