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産業開発、農務相を選出=あとは農地改革相=国防相も前下院議長に交代か=FUNAI総裁にメイラ氏

2007年3月23日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】ルーラ大統領は二十一日、サンタンデル銀行副頭取のミゲル・ジョルジェ氏を産業開発相に選んだ。また農務相にステファネス下議(ブラジル民主運動党=PMDB)を指名し、今回組閣で注視されていた二閣僚の人選が終わり、残るは農地改革相のみとなった。また国防相の交代があるならば、後任にレベロ前下院議長の就任が噂されている。またFUNAI(先住民保護財団)総裁は、先住民対策に未経験の人類学者マルシオ・メイラ氏が選ばれた。
 ルーラ大統領による直接の招きに応じたサンタンデル銀行のジョルジェ副頭取が、辞意を表明していたフルラン前産業開発相の後任として決まった。副頭取は、エスタード・デ・サンパウロ紙の経営評議員であり、論説委員を務めた。
 ステファネス下議の農務相は二十二日、大統領がテメルPMDB党首の確認を得た後、最終決定となる。農務省がPMDBの手中に収まったことで、ブラジルの新しいパワーとなった農業生産者団体や農業関係グループの強力な圧力がテメル党首の上に集まった。
 土壇場で農務相の人選が三日も手間取り、ロドリゲス元農務相やパラナ州のレキオン知事、マット・グロッソ州のマギ知事も優柔不断に抗議してきた。人選はやむなく、ステファネス下議指名へ追い込まれた感がある。PMDBは群雄割拠の党といえそうだ。
 シロ・ゴーメス前国家統合相(ブラジル社会党=PSB)が辞任したことで、見返りに運輸省から港湾庁を分離し、PSBへ供与することを大統領が思いついた。運輸省は世帯が大きすぎて荷が重く、輸出業務が円滑でないと大統領は考えていた。しかし、運輸省をもらった共和党(PR)が、丸ごとのはずなのに無断で一部切り取りはケシカランと抗議した。第二次ルーラ政権の過半数を占める連立大政権は、平和維持に一苦労しそうだ。
 農地改革相は、カッセル現改革相で続投する可能性が大きくなった。国防相は下院議長選前、レベロ前議長に打診したが断られた経緯がある。無任所となった現在、前議長が国防相で誘いを待っているらしい。
 ジェンロ法相が、FUNAI総裁に労働者党(PT)党員でパラー州出身の人類学者マルシオ・メイラ氏を推薦した。二十二日に就任予定。同氏はPT政権の発足とともに、政府の文化活動に参加。翌年文化省政治局長へ転任、ジウ文化相によって更迭された。
 同氏は先住民問題に詳しくないので、政治的人事といえそうだ。FUNAIの州支部からは、門外漢とする批評が寄せられている。先住民教化の宗教団体は、政府の行政改革に逆行すると批判された。
 国連はブラジル先住民への保護が不十分であると、厳しい目で政府を見ている。先住民保護区は、常に金採取人や木材の違法伐採人らの侵略にさらされ、生命の保護もままならないとしている。政府の侵入者対策はズサンだという。