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空港整備公団の不正告発=会計検査院=8空港で発覚=談合や未完工事費支払いなど=MSTにも資金援助

2007年3月21日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】航空管制トラブルで空港が混乱する中、会計検査院(TCU)は十九日、空港インフラ整備公団(Infraero)の不正を告発する報告書を公表した。TCUは、入札手続の不正や欠陥タービンの購入契約などを指摘。また同公団は二〇〇四年、社会運動への参加と称し、農地占拠運動(MST)が主宰する団体へ資金援助を行った。さらに空港内補修作業のためとして、未完成の工事に対し八〇〇万レアルを支払った。請負企業は同公団の役員や監督を買収、工事に非許可資材を使用して手抜きをした。これらはインターネットの告発を基に、TCUが調査したもの。
 航空管制トラブルが解決されず空港はパニック状態の中、TCUが空港業務公団における数々の不正を指摘した。同公団は空港業務の円滑化をないがしろにし、不正取引に専心しているというのだ。購入したタービンの二五%は欠陥品だという。八カ所の空港で滑走路の補修を行っているが、工事未完のまま工事費を支払った。
 八空港で発覚した不正の告発報告書を、裁判所へ回した。ほとんどはサンパウロ州内で、コンゴーニャスやグアルーリョス、ヴィラコッポスなどとマカパー、カンポ・グランデ、コルンバーである。不正はTCU監督官が実地検証を行ったという。
 告発された同公団元総裁ウイルソン下議(労働者党=PT)は、航空管制トラブルで同公団をピラニアの餌食にし、自分だけ責任逃れをする一団の罠だと述べた。トラブルの責任は同公団ではなく、管制業務を行う空軍だという。
 同公団は請負企業の入札資格を審査するだけで、工事内容と終了の立会い検査に参加していない。工事発注と終了検査の責任所在はあいまいで、前政権時代から完全な工事終了はなかったという。ズサンな仕事をしても、工事費が受け取れる仕組みであったようだ。
 同公団はMSTのイベントのスポンサーとなった。しかし、支払日と領収書の日付は合致しない。これは、同公団が定期的に資金援助をしたためとみられる。MSTの活動は違法でも反政府行動でもなく、連邦令が定める範囲で貧困阻止と農地改革推進を目的とするもの。同公団の関与は妥当だという。
 工事請負は全て談合である。入札企業は決まっている。入札は形式であって、本来の意味をなさない。自由前線党(PFL)は、空港業務公団CPI(議会調査委員会)の設置を上程する意向だ。
 航空管制トラブルは、三日目を迎えた。便の三〇%の発着が遅れたが、解決の見込みはない。ルーラ大統領は航空関係者を呼び、空軍情報部が指摘するサボの可能性を問うた。空輸労組は機器の点検を行い、サボの可能性はなかったと否定した。機器は再々トラブルを起したが、改善も対処もされず、責任の所在もあいまいであると構造的問題を訴えた。
 告発の渦中にある同公団の現総裁ペレイラ中将は、真実を語るのをためらうとしながら、航空管制は管理機能がマヒ状態にあるという。機器不足というので新機器を導入したが、トラブルは解決しなかった。今度は要員不足だとかソフトの欠陥だとかいう。