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政府の支出、20年で3倍=GDP比30%に達する=税金増え、経済成長を阻害

2007年3月20日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】政府の公共支出が過去二十年間で三倍に膨張して国内総生産(GDP)対比三〇%に達し、これが経済成長の低下を招く原因となっている。経済政策のコンサルタント、モザイコ社のアナリストらが発表したもので、公共支出と経済成長は密接な関係があるとして、公共支出の増加が経済成長の障害になっていると指摘している。
 同社では世界二一五カ国の一九七一年から二〇〇五年までの公共支出と経済成長の推移を調査し、その結果、特に開発途上国でこの傾向が強く、ランクの上位を占めていると報告している。〇二年の時点では上位二十七カ国が途上国で、ブラジルは六番目に位置している。トップのイスラエルおよびサウジアラビアは軍事費が多いのが原因。ブラジルは中国とチリと比べ、公共支出は五六%増となっている。
 この背景にはマンモス化した公務員の経費の増加が第一の原因とされ、これがGDP成長に寄与せずに逆に官僚主義を浸透させ、マイナス要因となっている。さらに経費を補填するために高い税金を維持するため投資の壁となり、経済発展につながらないと指摘している。
 歴代政権の推移は(年代は政権末期)、フィゲイレド(一九八四年)が公共支出GDP対比七・七%に対し、経済成長は四・七%だった。サルネイ(八九年)は一九・一%に対し四・四%、コーロルおよびイタマル(九四年)は二〇・二%に対し三・六%、カルドーゾ第一期(九八年)は二一・八%に対し三・〇%、同第二期(〇二年)は二五・二%に対し二・七%、ルーラ第一期(〇六年)は三〇・二%に対し二・四%だった。
 各政権の公務員(軍隊を含む)の数は、コーロル(九二年)九十六万九〇〇〇人、イタマル(九四年)九十五万二〇〇〇人、カルドーゾ(九八年)八十四万二〇〇〇人、同(〇二年)八一万人、ルーラ(〇六年)九十九万二〇〇〇人だった。
 〇二年での各国のGDP対比の公共支出によるランキングは、トップがイスラエル(二九・六%)で以下順にサウジ(二六・一%)ハンガリー(二三・四%)、チェコ(二三%)、ヨルダン(二二・七%)、ブラジル(二〇・一%)コロンビア(一九・六%)、南ア(一八・四%)、ロシア(一七・六%)、トルコ(一四%)、中国(一二・九%)、チリ(一二・八%)、アルゼンチン(一二・一%)となっている。