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「あと9カ月で始まる」=パラナ百周年=マ市で伯外務省と初会合=州内各地が構想アピール=いずれ大統領が発足式を

2007年3月20日付け

 ブラジル外務省とパラナ日系社会との百周年に関する初会合が十六日、パラナ州マリンガ市のマリンガ大学センター(Cesumar)講堂で開催され、北パラナを中心に約三十市の日系団体代表ら約百五十人が参加し、三時間にわたって会場は熱気に包まれた。完成すれば海外最大規模となるマリンガの日本庭園、日本移民のテーマパークを建設するローランジャの夢プロジェクトに加え、ロンドリーナからも競い合うように来年の大型イベントの説明があった。伯外務省アジア・オセアニア局は、連邦レベルの百周年実行委員会の各作業部会でプロジェクトの審査をすると説明し、同局が窓口となって、各地と直接連絡を取り合って準備を進めていく件が確認された。
 「あと九カ月で開始、〇八年は目前だ」。会合に先立ち、同外務省で日本を担当するアジア・オセアニア二課のフランシスコ・マウロ・ブラジル・デ・オランダ課長は、そう記者団に意気込みを語った。「サンパウロ、パラナ、マット・グロッソでも直接、連絡をしてほしい。連邦政府の窓口は全ての市民に開かれている」とした。
 最初にマリンガ文協太鼓部による百周年記念曲「絆」など三曲が演奏され、両国国歌が合唱された。
 会場には、関係する七市の市長、西森弘志ルイス州議、リカルド・バーロス連邦下議が出席し、約三十市の日系団体代表らが集まった。遠くはクリチーバから山脇ジョルジ文協会長、同総領事館の小澤英司副領事も列席した。
 マリンガ市長のシルビオ・バーロスⅡ氏は、日系社会の貢献は顕著なものであり、「百周年を記念して市が日本庭園を造ることは、その活躍にふさわしい」と説明。「完璧に実行可能な計画だ」と宣言した。
 姉妹都市・加古川市の協力により海外最大規模の日本庭園の設計は無償ででき、十万平米の土地も地元企業から寄付され、植樹される樹木のうち九五%の手当てがついていると発表した。近隣から六百トンの石を運び込み、五万四千平米を日本庭園に造成する。
 西森州議は、まずロンドリーナ連邦技術大学の進捗状況をアピールし、「今日は、動き出しの会合だ。四月にはIMIN100(パラナ百周年)の正式発表式典をする予定だ。昨年末、夢プロジェクトにつけられた連邦予算千万レアルを早急に執行してもらうよう、お願いしたい」とあいさつ。「さらなるパラナ日系社会の団結を!」と訴えた。
 マウロ課長は「エタノールやデジタルTVなど、今回の日伯経済振興は七〇年代よりも大きなうねりになる」とし、七〇年代にはいなかった在日ブラジル人三十万人の存在はさらに両国関係を近づける、との考えを表明。
 「百周年を機に、在日ブラジル人の待遇改善を図りたい。ブラジルで払っていた年金を日本でも続けられるような通算協定、司法だけでなく民法での共助協定、在日子弟の教育の改善などに取り組みたい」との抱負を語った。
 続いて、同課第一秘書のマリーザ・デ・パイヴァ氏氏は大統領令の詳細を説明し、すでに毎週のように首都では百周年に関する会議がもたれており、「いずれ大統領出席のもと連邦組織委員会の発足式が行われる」との見通しを発表した。
 質疑応答の後、ロンドリーナ百周年組織委員長の吉井篤氏が壇上に上がり、来年六月二十二日に同市パルケ・メイ・ブラーガで大きなイベントをする計画があり、詳細をこれから決めていくとの発言があった。
 原ルイ州議は、「日本政府は四世にも就労できるビザを出してほしい」と要請。
 最後に、司会の伯外務省パラナ事務所のセルジオ・コウリ代表は「私自身はリビア系二世だが、移民の子孫という意味では皆さんと一緒。どんな移住者も、同じような過程をたどってブラジルに貢献してきた。移住とは郷愁・闘争・忍耐だ」と連帯の気持ちを述べて拍手を浴び、三時間に及ぶ会合は終了した。
 パラナ日伯商工会議所の上野アントニオ会頭は、ニッケイ新聞の取材に対し、「連邦政府にこれだけ関心を持ってもらえて、パラナ日系社会としてもありがたい」と初会合の成果を語った。