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サンパウロ州=女性の健康対策に注力=避妊薬の配布促進へ=大統領もコンドーム使用擁護

2007年3月9日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】国際婦人デーの前日に当る七日、サンパウロ州政府は女性の健康を保護する特別プランを発表した。なかでも注力するのは避妊に関するもので、避妊手術やピルの配布の促進を挙げている。このため二〇一〇年までに一五〇〇万レアルの追加予算を計上する。
 セーラサンパウロ州知事はこの決定に当たり、不測の妊娠を避け家族計画を立てることが必要だとし、とくに貧困家庭を援助するのが大きな目的だと強調している。また未成年者の妊娠も社会問題となっており、発育途上の彼女らが不用意な妊娠でせっかくの青春を台なしにするのを阻止する必要があると述べた。
 〇五年のサンパウロ州での二十歳以下の女性の妊娠は一〇万五〇〇三件で、一九九八年の二九%減となったものの、憂慮すべき事態となっている。
 計画では避妊に関する知識を含む用具やピルを公立保健所で配布することになっている。当局では向う一年間に五〇〇万個の事前避妊ピルと、事後に服用する通称、「翌日ピル」二万個を配布する予定にしている。
 この翌日ピルは〇五年、サンジョゼ・ドス・カンポス市で使用禁止になったが、法廷係争の結果、解除された経緯がある。これを受け連邦医療審議会は今年始め、この使用は合法であるとの通達を出した。
 さらに今回のプランでは乳がんや子宮ガン、家庭内暴力への優先的応対のほか、妊婦の完全看護やエイズ対策も含まれている。また、これまで机上プランと非難されてきた女性専用病院の年内始動も視野に入っている。
 いっぽうでルーラ大統領は同日、リオデジャネイロ市で一日繰り上げて行われた国際婦人デーの式典で演説し、中絶やコンドーム使用に反対を唱えているカトリック教会を公然と非難した。大統領は、コンドーム使用はエイズ防止や未成年者の早期妊娠防止に必要なものだと主張、これに反対するカトリック教会は偽善に満ちていると決めつけた。
 その上で、セックスはほとんどが好むもので、オルガニズム的にも人間として、また動物にとって必要なものだとセックス談義を披露した上で、コンドームを広く配布して正しい使用を教えるべきだと説いた。その上で教会を含むほとんどが、問題を直視せず、偽善的な主張にととまっているとし、真剣な対話が必要だと強調した。
 しかし教会に限らず、私の両親もこういう話は嫌いで、私自身も苦手だと白状した。だがこの意識を捨てて公に議論されるべきだとした上で、小学校でブラジル発見者がカブラルだと教えると同時に性教育を始めるべきだとの認識を強調した。これに対して教会側は正式コメントを控えているが、関係者は不幸な発言だと嘆いている。