2007年3月9日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】アメリカのブッシュ大統領のブラジルを始めとする中南米諸国訪問で、エタノールのバイオ燃料が改めて注目されている。世界のバイオ燃料用エタノールの四五%を供給し、第一人者と自負するブラジルは生産を拡大して輸出市場のさらなる確保を狙い、アメリカは石油依存からの脱皮を図ることで共通の利点を保有している。
ブッシュ大統領はブラジルと共同戦線を張り、OPECのような共同体を結成する意向があると伝えられており、果してOPECの如く一枚岩が構築できるか注目されている。アメリカの専門筋によると、エタノールは新しいコモディティに格付けされ、三〇年後には一兆ドルの産業に発展すると予測している。
これをうけてブラジル政府は、向こう六年間に七三の工場の新設を承認したことを明らかにした。これにより現在の三三六工場が二〇一二年から一三年にかけての収穫期までに四〇九のアルコールおよび砂糖精製工場が稼働する。このための投資は一四六億ドルに達し、エタノール生産量は三〇〇億リットルと見積もられている。
さらに国内で精製機の五〇%供給のシェアーを保有するDEDINI社によると、一八九社から引き合いが寄せられているという。すべてが新規に参入するかは不明だが、業界への関心が深まっているのは事実だ。
なかでも外資系の関心は高く、この四〇%を占めている。外資系のエタノール投資はインフィニティー・バイオエネルギー社の活動で代表される。同社は一年ほど前に資本金三億五〇〇〇万ドルで設立されたが、直後にブラジルの三つの精製工場を買収した。さらに一億二〇〇〇万ドルを投じて増設し、二〇〇八年/〇九年の収穫期には現行の三〇〇万トンのサトウキビ消費を五六〇万トンにする計画だ。
このほかマット・グロッソ、エスピリト・サント、バイア、ミナス・ジェライスの各州に進出し、拡張する構想を持っている。この投資に関し同社では、金融機関がエタノールに注目していることで、資金提供には事欠かないと明言している。