2007年3月3日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】サンパウロ市南部シダーデ・ジャルジン大通りで一日午後、三人組が銀行を襲撃し、逃走の際に二人にケガを負わせた。三人組は車を奪って逃走、二日午前〇時現在、足取りがつかめていない。
また同日、東部グアイアナゼ区でも三人組による銀行強盗事件が発生、こちらはケガ人もなく犯人の一人がスピード逮捕された。モエマ区イビラプエラ大通りで前日の二十八日、八人組の銀行強盗事件で六人が重軽傷を負う事態が発生した矢先で、連日の不祥事に対し、銀行の警備と当局の治安体制のあり方が問われている。
事件が起きたのは同大通りのブラデスコ銀行で、午後四時前、武装した三人組が押し入った。入口に設置されていた金属探知機が故障で作動しなかったため、犯人らは易々と侵入した。三人組はごく冷静に一〇万レアル相当を奪い、行員二人を人質に外部に出た。外部で人質を解放、隣のスーパーの駐車場から出てきたヴェクトラ車を奪い逃走した。この際、車の所有者は犯人らに気がつかず制止しなかったため頭部を撃たれ、車外に引きずり出された。被害者は幸い命に別状はない模様。
この後逃走時に通行人一人をハネたが、軽傷ですんだ。犯人らは現場から二キロの地点で車を乗り捨て、新たにゴルフ車を奪ってモルンビー区方面に逃げ去ったという。犯人らは逃走の際に銀行の防犯カメラのテープを持ち去ったが、隣の店の家外防犯カメラに映し出されていることから、当局では身許の割り出しを急いでいる。
銀行強盗捜査課によると、二〇〇五年から〇六年にかけて一年間でサンパウロ市の銀行強盗は八二%増となった。警備員や行員が共犯となり、情報提供や侵入の手引きをするのが最大の要因で、犯行を容易にしているという。
その根拠としてイビラプエラ大通りのイタウー銀行襲撃では犯行の一時間前に何者かが警報器を切っており、さらに呼び出した支店長の名前も知っていた。また今回のブラデスコ銀行襲撃では、金属探知機の故障を事前に知った上で、金庫が開く時間を狙って侵入したことを挙げている。
いっぽうで銀行側はいずれのケースでも被害者は銀行外部の人らであり、当局の治安体制に問題があると指摘している。