2007年3月3日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】先月二十七日に上海から各国の株式市場に波及した世界同時安は、二十八日に上海を始め一部市場で株価が回復、しかし一日にはメキシコを除く主要市場すべてで下落に転じた。
サンパウロ証券取引所(Bovespa)の株価指数は一日、ニューヨーク市場の動きに似た形で取引開始直後から下落を続け、午前中に下げ幅は四%に達した。その後動きは反転し、終わり値は前日比〇・八六%の低下に留まった。
金融アナリストの中には、二十八日に続き楽観視していた株式市場に再び異変が起こったことで、今後の展開を読むのは困難とみて、予想をためらう者もいる。MCMコンサルタントのエコノミストのマデイラ氏は、米国経済の先行きを懸念する声が多かったとし、昨日の動きも米経済のデータ発表に連動したものと評価した。
また、別の投資銀行のエコノミストによると、ここ数日間に渡る世界の株式市場の動揺は、米国経済、中国経済、新興国経済、イランの核開発問題などが総合されたものとし、先行き不透明感は、一週間は続くという。円などのキャリートレードにブレーキがかかったことも一日の世界同時安につながったとみるアナリストもいる。
今回の金融市場の動揺により、来週開催予定の中銀通貨政策委員会会合では基本金利の引き下げが継続されるという観測が広がっている。