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人気2番組で共同企画=「BBB」にドラマの架空人物登場

ニッケイ新聞 2014年1月15日

ブラジルで最も人気のある番組のひとつ「BBB(ビッグ・ブラザー・ブラジル)」が14日から放送(月~金・夜10~11時)されるが、今回は世界的に見ても珍しい試みが行われる。

「BBB」は、ヨーロッパで大ヒットしていた番組「ビッグ・ブラザー」のブラジル版として2002年にTVグローボで放送を開始した。この番組では、ひとつの家に20人の男女を共同生活させて、その生活の様子を見せ、「好ましくない人物」を視聴者投票で毎週のように落としていき、「最も好感度のある人物」を選ぶというものだ。この番組は放送開始当初から人気を呼び、今回で通算14回目のシリーズを迎える。

この番組には、原則として市井の名もなき人物が登場しているが、今年は異例の人物が加わることになる。それが「ヴァルディレーネ」。彼女は現在TVグローボで放送中のドラマ「アモール・ア・ヴィダ」(月~土・夜9~10時)で女性コメディアン、タタ・ヴェルネックが演じている役、つまり「架空の人物」が出演する。

名もない人の、あられもない実生活を見せることによって人気を呼ぶこの番組に、有名番組の架空の人物が出演するとはなんとも皮肉だが、これには「BBB」らしい背景がある。ヴァルディレーネは、派手なファッションに身を包み、有名人のように振る舞うことに憧れる「ペリゲッチ」と呼ばれる最近流行のブラジル人女性のあり方を、ドラマ内で演じている。そのヴァルディレーネが口癖のように言っていたのが「BBBに出てスターになる」というものだった。

実際、番組内で存在が注目されて以来、「BBB」からスターになる例が決して少なくない。その有名な例が日系人タレントになったサブリナ・サトウと、今やドラマの主演クラスの女優となったグラッシ・マサフェラだ。この2人は今やブラジル国内の女性週刊誌やファッション誌の表紙の常連的存在になっている。ヴァルディレーネのようなタイプの女性にとっては「彼女たちに続きたい」となるわけだ。

なおヴァルディレーネの「BBB」への登場は15日の放送ということになっているが、他の出演者のことも考慮して「1日で失格退場」になるそうだ。それがどうして起こるかは「BBB」用に特別に作られたケーブルTVのチャンネル「カナルBBB」で追うこともできる。

この「BBB」でのヴァルディレーネの模様は、「アモール・ア・ヴィダ」でも反映されるものと思われる。いわば「劇中劇」の場として、「現実のBBB」が使われるという珍しい試みだ。(8日付アゴラ紙などより)