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4200万人が移動か=地球温暖化による海面上昇で

2007年3月1日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二月二十八日】地球温暖化に伴い最悪の場合には海面が一・五メートル上昇し、今世紀末までにブラジルの沿岸部に居住する四二〇〇万人が移動を余儀なくされる―。環境省は二十七日、気象変化政府間パネル(IPCC)の最終報告書を元に実施した、地球温暖化のブラジルの気候への影響に関する八つの調査結果を発表した。
 環境省は二〇〇四年、政府が地球温暖化対策を策定する目的で、大学や研究機関に調査を依頼した。宇宙調査研究院(Inep)は交付や気温、河川の干上がりなどのデータに基づいて「楽観的」と「悲観的」シナリオを作成した。
 それによると、全国の平均気温は一九六一年の平均から四度上昇、二一〇〇年時点で楽観的シナリオでは二六・三度、悲観的では二八・九度に達するという。アマゾン地方では最高八度上昇する可能性があり、悲観的シナリオをみると、北東部地方で三度から五・五度、パンタナル地方も三度から六度上昇する。中西部と南東部地方では、熱波と集中豪雨という気候の両極化が進行するとみられている。
 マリーナ・シウヴァ環境相は同日、気象の変化は不可避だが、それを緩和し適応していくための行動計画を連邦政府が準備する必要性を訴えた。環境省は他の省庁と調整しつつすでに計画の策定に取り組んでおり、三、四カ月以内に発表する見込みという。同省はアマゾン地方の森林伐採削減を計画の柱としている。