2007年2月20日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】議員特権を有する国会議員は過去十年間、一人も連邦最高裁判所(STF)から有罪判決を受けていない。
一九九六年から二〇〇六年までの十年間に最高裁は政治家を対象とした刑事訴訟二十九件を扱ったが、十三件は時効成立により無効、十件は下級裁判所への審理差し戻し、六件は無罪判決を下し、誰も有罪とはならなかった。訴訟内容は公金横領、犯罪組織結成、詐欺、傷害、名誉毀損(きそん)、選挙法違反、脱税など。
最高裁が最後に有罪判決を下したのは、コーロル元大統領の選挙財務担当者だったP・C・ファリア氏に対してで、刑罰は禁固七年だったが、同氏は九六年に死亡した。
専門家らは、第一審を扱う裁判所としての構造と機能を最高裁が持たない点に問題があると指摘する。〇一年まで国会議員を被告とした訴訟の審理に議会の承認が必要だったことも、こうした問題を助長したとみている。
メンデス最高裁副長官は、最高裁が議員の刑事犯罪を裁くことは認めるが、国会議員に対する訴訟の急増が最高裁の審理に悪影響を及ぼしていると批判する。ここ数年の間に政治家に対する刑事訴訟は急増した。裏金疑惑では四十人、救急車納入をめぐる汚職では八十四人の国会議員が起訴されている。