2007年2月16日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】地球の温暖化が今改めて取り沙汰され、世界中が危機感を抱いている中で、環境保護NGO(非政府団体)のグリーンピースが「毎日一人一人のエネルギー節約が地球温暖化防止につながる」とのキャンペーンを展開し始めた。それによるとエネルギーの節約により余計なガス排出が減少し、オゾン層の破壊防止につながり温暖化を阻止できるとして、個人の認識を高めることに主眼を置いている。
まず数字面から見ると、朝の歯磨きやヒゲ剃りの間水道の蛇口を閉めるだけで四人家族の家庭では三〇〇リットルが節約できる。これは一人一日分の消費量に相当する。また蛍光灯などを使用すると、一般の電球より一〇%の消費節約となる。値段は割高となるものの、耐久力は一〇倍であり、最終的により経済的となる。
一週間に一度、車での外出を控えると一年間でガス排気量の節約は、大木が二十年間に空気を浄化する量に相当する。ガソリン車が一五〇〇キロ走行すると二七五〇キログラムの炭酸ガスを排出する。これが砂糖キビからのエタノール車だと五〇キロとなり五十五分の一に減少される。またタイヤを正常な形に維持するだけで、燃料の三%の節約となる。
全国のリサイクル物資の三分の一が完全に活用できると、人口一〇〇〇万人の都市のエネルギー供給に相当する。以上はほんの例に過ぎず、いかにエネルギーの無駄使いをしているかが分かり、地球温暖化に拍車をかけているかがうかがえる。
そこで同NGOの指摘を日常生活の時間帯で追ってみると、午前六時起床、室内灯をつけることなくカーテンを開けて野外の光を入れる。歯磨きやヒゲ剃りには蛇口を閉める。これで水と電気を節約する。弁当やおやつの入れ物は使い捨てではなく再利用できる物を使用し持ち帰る。これがゴミの量の減少となる。家を出る際はすべての電源を切ること。
午前九時出勤時、エレベーターは一基のみを呼ぶ。複数を作動すると余分な電力消費となる。出勤と通学は隣り近所の車への相乗りを心がける。あるいは路線バスなど公共交通機関を利用する。勤務先ではノーネクタイとすること。これによりクーラーや扇風器の利用を避けることで省エネとなる。
午後街路での宣伝用パンフレットには手を出さない。また社内ではコーヒーなどの飲み物の専用カップを有し、紙コップの使用を避ける。紙の無駄使いとゴミを減少させる手段だ。トイレの排水もできるだけ少量に済ますよう心掛けること。夜、節電に十分留意すること。経済的に余裕がある家庭には太陽熱の利用を勧めている。一カ月に三〇%の省エネとなる、また銀行ではこの設置専門の融資もある。
世界中で環境保護運動を続けているグリーンピース団体は、運動の骨子となっている保護と省エネの実施はさることながら、環境保護の「番人」となることを各個人に呼びかけている。