2007年2月10日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】リオデジャネイロ市で七日夜、二人組の強盗犯が路上で車を奪った後、後部座席にいた被害者の六歳の男の子がシートベルトをはずせずにいたのをそのまま発進させ、約七キロにわたって引きずりまわし、死亡させる事件が発生して市民の怒りを買っている。犯人二人は市民の協力で逮捕された。
商店経営の女性(41)は七日午後九時ごろ、子供二人と自家用車コルサ車に乗せて帰宅途中、「ジョン・メロ街の交叉点の信号で停車したところを二人組みに襲われた。犯人らはピストル(実はオモチャだった)で脅し、三人に下車を命じて車を奪った。
しかし後部座席にいた男の子は下車したものの、シートベルトが解けずにいた。母親が解こうと近寄った時に犯人は車を発進させた。男の子は引きずられていった。付近に多数の目撃者がおり、車を停止させようと試みたが、犯人らは結局七キロに及び子供を引きずった。男の子は死亡した。
市民はニュースを知って激怒し、犯人割出しに協力、これをもとに警察は犯人らの住居を探り出した。しかし警察が急行する前に犯人の父親が息子を警察につき出す一幕も。
犯人は子供がシートベルトで引きずられていることに気がつかなかったと供述しているが、子供をふり落すべくジグザグ運転を繰り返していたとの証言があり、供述との矛盾を当局は追及している。犯人は強盗の前歴があり、再犯のため三〇年以下の刑罰が適用される。