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百周年に力あわせて=ブラジリア=日系連議が抱負語る

2007年2月10日付け

 日系連議も舞台に――。一日ブラジリアで連邦議会が開会、昨年十月の統一選挙で当選した四人の日系下議も新たな政治生活の第一歩を踏み出した。日本の国会で言えば〃赤じゅうたん〃を踏んだのは、二期目の高山ヒデカズ議員(パラナ)をはじめ、初当選した飯星ワルテル、ウィリアム・ウー(サンパウロ州)、谷口カシオ(パラナ)の三議員。四年の任期の抱負とともに、来年に迫ったブラジル日本移民百周年に向けて力を合わせていく考えを語った。
 「四十五年の人生の中でとても大きな日です」と喜びを語る飯星議員(PFL)。選挙の得票の多くが「コムニダーデから得たもの」と日系社会に感謝を表わし、支援者とともに仕事に邁進する意気込みを語った。就任式にあわせ、サンパウロ州ポンペイア、マリリアから支援者のツアーがブラジリアを訪れたという。
 同じく連議初挑戦で当選を果したウー議員(PSDB)。選挙公約である治安対策、インフラ整備に向けた取組みとともに、日伯関係の強化、そして日本に暮らすブラジル人問題にも取り組みたいと述べた。
 野村丈吾、小林パウロ両下議亡き後、久しぶりに四人の日系議員を送り出した日系社会。飯星、ウー両議員ともこの二人の先達の功績を称えた。
 なお四議員のうち、パラナ選出の谷口カシオ議員(PFL)はブラジリア連邦区の都市開発局長に就任することが決まっている。
 同就任は連邦区のジョゼ・ロベルト・アルーダ知事の要請によるもの。谷口氏は「ブラジリアには変革が必要とされている。行政府と仕事ができることを栄誉に思う」と意気込みを語るとともに、議会外にあってもパラナ、サンパウロ州の日系連議と連携をとり百周年に向かっていきたいと話した。
 二期目の任期となる高山ヒデカズ議員(PMDB)は、飯星、ウー両議員と協力しながら日伯関係の促進に取り組む考えを示した。これまで唯一の日系連議だったが、新たに二議員が就任したことで、両国の国会議員連盟の関係強化にも言及した。
 三議員からは日伯の二国間関係、日系社会に関する多くの提案がなされている。高山議員は「私たちは日本人の子孫として、私たちの利益、文化を守るつとめがある。ブラジリアで日本との交流のパイプになり、私たちの新しいアイデア、努力次第で日伯関係はより大きなものになる」と話す。さらに「百周年はすぐそこに来ている。まず最初に、祝典に焦点を合わせていく」と抱負を述べた。
 この日はまた、日系初の連邦高裁判事となったマサミ・ウエダ氏が正式に就任した。ウエダ判事も、二〇〇八年の百周年を大きな祝賀、日伯関係の節目の年と位置付け。今回多数の日系下議が誕生したことについても「議会にアイデアと大きなエネルギーをもたらす新しい力」と評価し、活躍に期待を表わした。