2007年2月9日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】フェイラ・リーブレ(朝市あるいは青空市)は市民の食卓に安くて新鮮な食品を提供し、家庭とは切っても切り離せないものとなっている。サンパウロ市内には現在、八八六カ所でフェイラが立ち、約一万五〇〇〇人がフェイランテ(業者)として従事しているが、その半数が不法営業となっている。法令では毎年営業権の書き換えが義務づけられているが、その折従事者の健康診断書も要求される。半数以上がこの義務を怠っていることは健康管理も定かではなく、当局は取り締まりを強化して安全な食料配給を目指す方針を決定した。
サンパウロ市では現在、火曜日から日曜日までの間、八八六カ所にフェイラが立っている。地域別では東部で三四四、南部で二四〇、西部で九〇、都心で三二カ所となっている。地区別では東部ペニャ区が最も多くて五二カ所、逆に南部パレリェイロス区が六カ所と最も少ない。
フェイランテは年一回営業権の書き換えが義務づけられている。その際従事者の健康診断の添付が必要となっている。このほか野菜や果物、生鮮物を運搬するトラックなどの輸送機関も当局が指定した検疫検査を受けることになっている。
しかしサンパウロ市配給局によると、再登録に応じているものは半数に満たない。煩雑な手続きに加えて再登録が毎月六〇レアルとなっているのも負担だとみている。それでも二〇〇五年での正規登録が一〇%だったのが昨年十一月には五〇%に増えたのは大きな進歩だという。
また毎月の納税が五%から六五%になったことも意識に変化が表れた証拠だとしている。毎月の支払いを怠ると再登録の交付が拒否されるのも原因になっている。
再登録の書類の整備はともかくとして、市当局ではフェイラでの衛生管理を危惧している。商品が直接消費者の口に入るものだけに、従業員や輸送機関が汚染されると病気がまん延する危険性が多分にある。これに対応するために当局は、年内をめどに業者に対して衛生管理についての認識を深めるための説明会を開く計画をしている。
これにともない登録を現行では中央市場近くのカンタレイラ街のみで実施しているのを各区役所でも行えるようにする。
フェイラは市民と直結しているものの、苦情も多い。市当局によると三〇〇万人がフェイラを利用するが、苦情のトップはバラックの組み立てと解体の時間帯、次いで騒音、街路に溜まるゴミ、モグリ業者の侵入、悪臭となっている。
規定では午前六時に組み立て、七時から十四時まで営業、十五時に市の散水車が到着となっている。古くから市民の間で「フェイラは近くに欲しいが、自宅の前はご免だ」と言い伝えられる所以だ。
フェイラで販売禁止となっているのは牛肉、豚肉、冷凍鶏肉、スパゲティ等のパスタ類で、当局ではこのほかCDや時計、玩具類を販売しているのはモグリ業者で、製品は海賊版か偽造品だとして手を出さないよう警告している。
また果物を目の前で切って試食させる者には注意するように呼びかけている。包丁に甘味料をつけて甘さを増す工作をしているからだ。この作為がバレて、これまで六人の業者が営業権はく奪の処分を受けている。