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PT=ジルセウ氏復権の動き=特赦運動展開へ=150万人の署名集まるか=野党「疑惑解明が先決」

2007年2月6日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】労働者党(PT)前党首のガルシア外交特別顧問は四日、ジルセウ前官房長官の復権に向けて政権中枢部が結束するよう檄を飛ばした。同顧問はPT内多数派の会合で、前官房長官の特赦を促す救出作戦を展開すると宣言。ベルゾイーニ現党首も、前官房長官の復権に賛同の意を表明した。前官房長官は二〇〇五年十二月、裏金疑惑関与のかどで二〇一五年まで議員権をはく奪された。しかし、PT多数派の特赦運動は与党を含む多数の国会議員から批判を浴びた。スプリシ上議(PT)が、前官房長官の疑惑関与が解明されないままの特赦運動は説得力が欠けるとした。
 ジルセウ前官房長官の特赦運動は、キナリア下院議長の誕生に続くPT失地回復の第二弾といえそうだ。サンパウロ州サンロッケ市で行われたPT多数派会合で、前長官は歓呼の声を以って迎えられた。下院に前官房長官の特赦案が上程されれば、党はもろ手を挙げて協力することを保証した。
 議員権はく奪は不当であるとして、前長官は即時復権に向けて徹底抗戦の構えを崩さなかった。しかし、国会による復権審議は一五〇万人の特赦支持が必要で、そんなに簡単ではない。ガルシア顧問の支援宣言が復権への第一歩だとして、前長官支持者は勝利を確信するという。
 PT多数派はヴァレリオ・ゲートで尾をつかまれ、長い間しんぎんを余儀なくされた。それをPAC(経済活性化法案)の成功で、挽回を考えていた。それが、ジルセウ担ぎ出しへ流れは変わったらしい。
 ベルゾイーニ党首は、前長官の議員権はく奪が証拠不十分のまま執行されたことで、法的措置ではなく政治的措置であったと訴えた。前長官の特赦による復権支持を、党首はPT代表として発表した。
 ガルシア顧問は三日、前官房長官と個人的に会ったが、そのときは前長官の特赦に触れなかったという。しかし、同顧問が議員権はく奪を阻止できなかったことで、特赦の音頭取りに意欲を燃やしている。
 同顧問は二〇〇七年、前長官の復権実現を記者団に表明した。PT内がサンパウロ州派とリオ・グランデ・ド・スル州派で対峙しているという報道については、愚かなことと一笑に伏した。ジェンロ憲政相が多数派結束をけん制し党の再構築を促したことは、一つの見方だと聞き流した。
 国会は、前官房長官の復権で一斉に反応した。特赦案を上程する前に、一連の事件を解明すべきだという。ヴィルジーリオ上議(ブラジル民主社会党=PSDB)が、議員権はく奪は倫理委員会と本会議で決議されたもの、特赦は国会を無視した国民への侮辱と評した。トゥーマ上議(自由前線党=PFL)は、議会への挑戦状と糾弾した。
 救急車CPIで告発された多数の議員が国会審議により放免されたので、国民は何が犯罪か分からなくなっている。マイア下議(PFL)が、前長官の特赦は国会の議題ではなくPT多数派の個人的関心事であり、混乱を来たすと批判した。国会には国の発展を審議する重要な役目があり、PTのお家騒動に関わっていられないという。