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文協ビルに深夜泥棒=援協、ひどく荒らされる=内部事情にくわしい犯人?=奇怪、当直員は巡回したはず

2007年2月6日付け

 「まさかと思いました」―。サンパウロ市リベルダーデ地区の文協ビルにある二つの事業所が泥棒の被害に遭っていたことが二日、関係者の話から分かった。被害にあったのは五階と四階に事務所があるサンパウロ日伯援護協会と救済会。犯行推定時刻は一日深夜から同日未明とみられ、金銭がある部屋を重点的に狙った形跡があることから、内部事情に詳しい者の犯行と推測されている。四千レアルを奪われる被害にあった援協の関係者は「こんなことは初めて」と驚きを隠せない様子だ。
 事件が発覚したのは二日午前七時ごろ。援協の職員がいつも通りに出勤したところ、五階入り口の扉が壊され、各部屋が荒らされているのに気づき、警察に通報した。
 関係者と警察の推測によれば、犯行が行われたのは今月一日深夜から二日の早朝にかけて。一日の日中にビル内に侵入して潜伏し、ビル内に人がいなくなる深夜に犯行に及んだとみられる。犯人の人数は不明。
 犯人は九階まであるビルのうち、四階と五階を狙って犯行。それぞれ廊下の入り口にある鎖つきの扉をバールのようなもので破壊して侵入、各部屋を荒らしまわった。
 援協の被害は総合診療所の売上げの一部と巡回診療班の必要経費、運営予備費など、約四千レアル。会計部内の職員の机に鍵をかけて保管していた現金が奪われた。金庫を荒らした形跡はなかった。
 援協は事務局、会計部、会員課、人事部、キッチンの五つの部屋を五階で使用。そのうち犯人は、会計部と事務局、会員課の部屋に侵入した。
 幸い、事務局と会員課の部屋は扉や職員の机などが壊されたのみ。パソコンや個人情報が載った書類などは無事だったため、各部はいつも通りに業務をはじめた。
 四階に事務所をおく救済会は、職員が机に入れていた約二十レアルの現金を奪われる被害にあった。パソコンなどは無事だったが、同会が所有する自動車の権利証明書のコピーが無くなっていたため同日、警察に被害届けを提出した。
 これら一連の手口から、内部事情に詳しい素人の犯行ではないかと推測されている。
 同ビルでは各事業所が共同で費用をだして当直員、一人を夜間に常駐させている。中島エドアルド文協事務局長によれば、この日も当直員一人がビルの閉まる午後十時から二日午前の六時まで、各階を巡回していたはずだという。
 これに関して被害にあった関係者からは「ガラスでできた入り口の扉を強引に壊しているのだから、夜には相当な音が響いたはず。全く気づかないのも少しおかしいのでは」との声が出ている。
 同事務局長の話によれば、以前はサンジョアキン街側にあるビルの非常階段から泥棒が侵入し、内部を荒らす犯行が何件かあったが、今回のようなケースは最近では聞いたことがないという。
 援協の具志堅茂信事務局長は今後の防犯対策として、「五階入り口の扉を以前より大きな鎖で施錠し、防犯アラームも設置したい」と話している。