2007年2月3日付け
ブラジル日本移民百周年記念協会の執行委員会が一日午後行われ、現時点で可能な限り絞り込まれた総予算として約七百四十万ドル(約九億円)が承認された。今後、日本政府の概算要求期限の六月に向けて、さらに詳細を詰めていく予定だ。
焦点の一つ、サンボードロモで〇八年六月二十一日に行われる記念式祭典の費用四百二十万ドルは、二百八十万ドルまで削減された。二万人分仮設するはずだった客席を止め、大型スクリーン(テロン)の数も減らすなどした。
同会場に隣接する国際会議場(パラシオ・ドス・コンベンソンエス)で、同十三日から二十二日まで行われる予定の日本文化週間には百二十八万ドル。ルアネー法の適用を申請する都合上、資金が集まる可能性の高い予算として減額されなかった。
会議では、以前からの懸案だった百周年記念誌構想についても、森幸一USP教授から説明が行われた。予算額は約十五万ドルだが、日本政府筋からの支援も見込まれそうだ。
他の記録事業関連としては、移民映像・記録関係に二十万ドル、移民関係貴重資料のデジタル化事業に四万五千ドルの予算がつけられたが、記録関連事業を統合して効率化を図る必要性についても議論された。
さらに、サントス港の移民下船名簿のローマ字化事業(あしあとプロジェクト)に七万五千ドル。日系人の実態調査に百万ドル、功労者表彰に約七万四千ドル、「友情の灯火」に三万ドル、各種記念スポーツ事業(サッカーや野球など)に七十一万ドル、二十一世紀・日伯地域リーダー交流に三万二千ドル、海上自衛隊・東京音楽隊招聘に約三十一万ドル、日系青年部活動の支援、協会・渉外・広報活動費が二十三万ドル、協会・事務経費(人件費含む)で三十万ドル、諸雑費七万二千ドルが計上された。
〇五年九月三日の同理事会では約七千四百万ドル(約八十一億三千四百万円)を使う総予算が承認されていたので、現時点で十分の一まで削減された。
関係者の話では「まだ削れる」との可能性も言われるが、とりあえず「以前よりはだいぶ実現性のある数字に近づいた」との声も聞こえる。
会議では中矢レナート財務委員長から、改めて奉加帳(リブロ・デ・オウロ)が提示された。
〇四年八月に始まったこの奉加帳は、一人一万ドルを五百口集めて日伯総合センターの土地代にする目的だった。当時、開始当初に署名したのは上原幸啓百周年協会理事長、渡部和夫顧問、中沢宏一氏(県連会長、当時)、池崎博文リベルダーデ文化福祉協会会長、菊池義治(援協副会長)の五人だった。
百周年協会によれば、現在までに支払ったのは菊池氏(半額)のみ。残りの諸氏も「これから払う」と約束しているという。
同総合センター案が先送りされたため、これからは百周年全体にその使用目的が拡大され、金額も庶民的な額に変更される。
寄付金を受け入れる免税団体もほぼ手続きを終えており、近いうちに正式に募金キャンペーンを始められる見通しが説明された。