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総額を約十億円以内に=百周年=臨時執行委で予算調整=文協ビル改修案は否決

2007年2月1日付け

 ブラジル日本移民百周年記念協会の臨時執行委員会が一月二十九日に開かれ、予算総額を八百万ドル(約九億七千万円)以下に抑える方向で調整を行った。本日二月一日に予定される執行委員会で最終調整すべく検討が続けられている。ここで決定された金額が現時点での正式予算として、西林万寿夫在聖総領事に託され、日本側に打診されることになる。
 予算案に含まれているのは、サンボードロモで開催される式典費用、そこに隣接するコンベンション会場で行われる日本週間、各種シンポジウム、全伯日系人実態調査、講演会、映像やデジタル資料化に加え百周年移民史編纂などの記録事業、スポーツなど。
 中でも焦点となっているのは、この会議の時点で四百二十万ドル(約五億円)とされた式典費用だ。今回、大枠を八百万ドルと定めたことにより、その半額を占めることになり、「後に残らないものにこれだけかけるのは現実的ではない」との認識が執行委員会内では強い。どこまで減額できるかの検討が行われている。
 また、映像委員会の予算が百二十万ドルから二十万ドルに減らされるなど、各委員会で大ナタがふるわれている模様だ。
 箱モノ四事業の先送りを決めても、八百万ドルを超える総予算…。そこからいかに削減しようかと検討を重ねている中、ブラジル日本文化協会から三百万ドル(約三億六千万円)の文協ビル改修案が提示され、一部、混乱を招いた。
 出席者によれば、改修派は「なにか形あるものを残さないと夢のない百周年になる」「なんとかなる」などと推進理由を並べたが、逆に「この時期になってまだ正規な予算が無くてこんな夢のようなことをいうとは危機感がなさ過ぎ」との現実論も出され、最終的には多数決で同改修案は否決された。
 会議中には、中矢レナート財務委員長ら一部主要メンバーが憤慨した様子で退席する姿もみられたという。
 ブラジル側で現実的に集金可能な金額まで、総予算を絞り込むという重要な時期だけに、多少の混乱はやむをえないようだ。一日の執行委員会でこの正念場をどう乗り切るかは、委員諸氏の手腕にかかっている。