強盗らに人気の携帯電話=現金に次いで多く=普及に伴い被害増える
2007年1月31日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】サンパウロ州内で過去一年間に携帯電話の盗難や強盗の被害にあった人は二五万人に達し、犯罪者が標的にする物品でトップになっている。州保安局資料課が主体となり、昨年三月から十一月まで延べ五万五九四七人を対象に調査したのと、データバンクに収録されているデータをとりまとめたもの。
そのうち犯罪の被害にあったと回答した二六〇七人のうち三五・八%が携帯電話を盗まれた。また被害届のデータによると、十六歳以上の州人口一五〇〇万人のうち四・七%に相当する七〇万人が過去一年間で何らかの被害にあっている。これからすると、犯罪は四十五秒に一件発生していることになる。警察での複雑な手続きや、あきらめの境地から被害届を出さないケースも多々あることから、犯罪の実数はこれをかなり上回るとみられている。
調査によると、現金を奪われたのが相変わらずトップの五六%、次いで携帯電話の三五・八%となっている。以下順に、身分証明書などの書類(二八%)、個人の身の回り品(二一・一%)、銀行のキャッシュカード(一三・三%)、クレジットカード(一〇・〇五%)、小切手帳(七・〇五%)だった。
被害届を基にしたデータでの品目では携帯電話が一八%、以下書類(一六%)、雑品(一〇%)、車内音響装置(一〇%)、ハンドバック類(九%)、テレビなどの電化製品(七%)、電線(四%)、装飾品、乗車券、衣料品、自転車、電子製品がいずれも三%だった。
これまでになかった品目に電線と電子製品があり、新手口として注目されている。電線は銅が高く売れることで、夜中に電柱によじ登って堂々と切断されるケースが多い。電子製品では個人が持ち歩くノートブックパソコンの被害が急増している。
携帯電話は九〇年代に普及しておらず被害は少なかったものの、二〇〇〇年から泥棒の稼ぎ頭となった。〇五年には保有台数が一億台を突破している。狙われる層は二四三六レアル以上の所得層が三四・九%と多いものの、それ以下の層でも一七%と高率を示している。