2007年1月31日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】下院議長選挙を二月一日に控えた二十九日午後、立候補者三氏がテレビ・カマラの討論会に出席し、舌戦を繰り広げた。
激しく攻撃を受けたのは、キナリア下議(労働者党=PT)で、野党ブラジル民主社会党(PSDB)のフルイチ下議は、裏金汚職で議員権をはく奪されたジルセウ下議の政治生命回復を考えているのではないかとキナリア下議に詰め寄った。「私がジルセウ元下議の赦免に傾いているとする貴殿やいかなる相手とも、私は戦う」とキナリア下議はいらだちを隠さなかった。
再選を目指すレベロ下院議長(ブラジル共産党=PCdoB)は討論の終了直前、政権与党のキナリア下議の議長就任は民主主義にとってマイナスだと発言し、PTへの権力集中を憂慮した。この発言は討論終了後もPT下議の間に波紋を広げた。討論後レベロ議長は、PTとの確執は選挙終了後も続くだろうとしたが、共産党が連立与党に留まるかどうかについては選挙後に判断すると述べるに留めた。
フルイチ下議は、立法府独立の必要性を説き、キナリア下議またはレベロ議長の勝利は下院の政府への従属を意味すると主張した。ただ、三氏とも汚職を働いた議員が懲罰を逃れるのを防ぐための法整備など、政治倫理を討論のテーマにすることは避けた。