2007年1月31日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二月二十六日】米国フロリダ州のジェブ・ブッシュ知事が二十五日、ブラジルのエタノール生産者とともに西半球におけるエタノール普及の米州合同委員会の設立を提案してきた。ブラジル側代表で委員会のキーマンとなるのは、ロドリゲス前農相である。
伯米政府と財界代表が、スンナリと提案に合意したのは初めてである。米州開発銀行(IDB)も、長期戦略と市場開拓、技術革新、販売促進などで財政支援を表明した。構想は、一月で任期が終わるブッシュ知事とロドリゲス前農相の間で練られていた。
構想は政府が介在しない民間ベースだが、前農相の提案でIDBを加えた。伯米両国のエタノール生産は現在、年間三四〇億リットルとなっている。両国の合弁になると、生産量は十年で倍増する。それだけの需要も伸びる必要がある。
エタノールの生産と需要が国際的に順調な伸びを見せるため、コモディテイ市場で一人前に扱われる必要がある。米国は現在、年間五三〇〇億リットルのガソリンを消費する。そのうち二八〇億リットルを二〇一二年までに、持続可能燃料に代替することを決めた。
知事が米大統領に送った書簡は、ブラジルからの輸入エタノールを前提としたフレックス燃料の供給政策を提案している。前記委員会の設置により、米国の原油依存度と排気ガスの縮小を図るという考えだ。
米国中央西部のトウモロコシ生産者は、二〇〇七年十月を以って廃止予定のガロン当たり〇・五四ドルのアルコール価格を、二〇〇九年一月まで延期して欲しいと抵抗した。ブラジルの生産技術の前に、米トウモロコシ生産者がエタノール輸入を阻止する術はない。
エタノール輸出は、それだけに留まらない。エタノール・システムの一切、ノウハウやロジスチック、フレックス車が、付随的に輸出される。
しかし、問題がないわけではない。ブラジルではアグロエネルギーに関わる機関が八省庁あり、縄張り争いを行い、一貫したエネルギー政策がない。民間サイドでせっかく築き上げたエタノール構想に、どこからジャマが入るか分からない。