2007年1月31日付け
「私は過去の人だから」―。先日訪れた「やまとクラブ」六十周年食事会の席で話した、古参の進出企業関係者の言葉が耳に残った。
かつてコロニア人士が親睦を深めた同クラブ。多くの人が亡くなったとはいえ、戦後のブラジル、日系社会と深い関わりを持ち続けた人の集いであることに変わりはない。日系団体を代表する人たちの意思疎通という意味でもその存在は大きかったろうと想像した。
夕食会の席上。話題が自然と百周年のことに移っていくのが印象的だった。そして思った。五十周年の時代を知る人たちもいるのに、今までこうした人たちの言葉に耳を傾ける機会が少なかったのではないかと。
「過去の人」なんて言わないで、百周年を来年に控えた今こそ、五十周年から九十周年までコロニアが蓄積してきたノウハウを伝えてほしいと思うのだ。 (ま)