2007年1月24日付け
地域三十四団体が一体で――。リベイラ沿岸日系団体連合会(FENIVAR、山村敏明会長)とレジストロ市の百周年委員会関係者が二十二日、サンパウロ市の百周年記念協会を訪れた。同地で計画されている日本移民百周年記念事業を同協会に正式登録するのが目的。協会にそれぞれの代表者が事業案を提出、松尾治執行委員長が署名した。これを受け、今後同地の記念事業には百周年協会のロゴマークが使用される。同地では「日本移民ゆかりの地」レジストロでの地域合同記念式典をはじめ二十一の事業を計画中。記念モニュメント建設などの大型事業もあるなど、今回はじめてその全容が明らかになった。
このたび百周年協会に提出されたのは、FENIVARと聖南西文化体育連合会(UCES、森エリオ会長)が合同で計画している十三事業と、レジストロ市の百周年委員会による八事業。
聖南西・リベイラ地域では、「皇室関係者の歓迎」「海上自衛隊音楽隊の歓迎」など未確定のものを含み、「先駆者顕彰」「合同ミサ」「八百人による祝賀夕食会」「ミス百周年コンテスト」「地域日系人口調査」「記念スポーツ大会」などの行事を予定。
このほか、高さ十メートルの記念塔建設や、聖南西・リベイラ地域の日本移民史ドキュメンタリーとリベイラの茶栽培に関する歴史をまとめた本の編集も進んでいる。ヴァルゼングランデ・パウリスタに建設中の陸橋に百周年を冠した名前をつけることも考えられている。
今年七月にはサンパウロ市で開催される海外・汎米日系人大会の参加者がレジストロを訪問することになっており、格好のプレ・イベントになりそうだ。
一方のレジストロ市でも、市と日系団体が一体となって事業計画を推進中。
すでに製作に入っている、造型作家の豊田豊氏による精米、製茶の機械部品を利用した七つの記念オブジェのほか、レジストロの入口への鳥居建設、同地文協前の道路を東洋風に整備する計画などもある。〇八年には姉妹都市の岐阜県中津川市からも訪問団が来訪する予定で、さらに来年は、灯篭流しや寿司祭りなどの年中行事を百周年記念として盛大に行う考えだ。
二連合、レジストロ市では二〇〇八年六月、〃日本移民ゆかりの地〃レジストロでの地域合同記念式典を実施する予定。開催日は確定していないが、遠方からの出席者も多く見込まれることから、式典と合同ミサ、祝賀夕食会を同日に実施する予定だという。
事業計画提出には、山村リベイラ連合会長のほか、レジストロ市からイネス・カワムラ副市長、ニルトン・ヒロタ市議会議長、同市百周年コーディネイターの那須野秀男さん、清水ルーベンス会長はじめレジストロ文協関係者など十四人が協会を訪れた。
百周年協会からは松尾治執行委員長、田中洋典祭典委員長らが同席。午前十一時から会議室で懇談後、山村会長、那須野さんがそれぞれの事業案を提出し、松尾委員長が署名した。
これにより、同地域の百周年記念事業は正式に同協会に登録され、ロゴマークの使用が可能になる。一行からは協会に対し、あらためて皇室関係者の同地域訪問を望んでいることが伝えられた。
二連合に加盟する日系団体は合わせて三十四団体。今後はリッファの販売なども行い資金集めを進めていく予定だという。山村会長はニッケイ新聞の取材に対し「日本移民百年の歴史があったからこそ、経済をはじめとする現在の日伯関係もある。レジストロはその原点。その歴史を祝う百周年にしたい」と意気込みを語った。
「こういう記録を残すのは大切なこと」と語る松尾委員長。今後も全伯で計画されている記念事業の情報を集め、百周年記念誌とあわせ資料としてまとめていく考えを示した。
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午後二時から一行は在聖総領事館を訪問。西林万寿夫総領事との懇談には、レジストロ、サンミゲル・アルカンジョ両市長、森エリオUCES会長(同市議)のほか、飯星ワルテル、アルナルド・マデイラ両連邦下議も同席。記念事業の説明のほか、一行から総領事に皇室関係者の同地訪問に関する要望書が手渡された。