2007年1月19日付け
二〇〇六年度北海道農業高校生ブラジル交流事業(北海道国際教育研究協議会・日本国際農業教育会議主催)の派遣団員六人(柴田政二団長)が八日からブラジルを訪れた。一行はポンペイアの西村農学校への体験入学など約二週間にわたり、国内各地で研修。帰国の日に本紙を訪れ、感想を語った。
北海道はこれまで、道内の農業高校生の派伯事業を推進してきたが、〇三年からは農業、工業、商業高校(あるいは普通科高校の同コース)の生徒派遣実習に切り替えて実施。北海道国際教育研究協議会・日本国際農業教育会議が主催となって同交流事業が実施されるのは今回が初めてとなる。事務局は帯広農業高等学校。
今回の交流事業は、「二十一世紀に活躍する国際農業人を目指して~ジャポネースガランチードの精神を学ぶ~」といったテーマに基づき進行された。
ブラジルに到着後一行はパラグアイのイグアス移住地を訪問。ホームスティを体験しながら、農場を見学した後、ブラジルへ再度入国した。リオではコルコバードの丘やマラカナン競技場を訪れた後は、サンパウロ州ポンペイアの西村農工学校に体験入学。農業実習を行いながら同校生徒と交流したほか、同地の資料館、工場などを視察した。
柴田団長は、「西村農工学校の生徒たちがたくましかった」と感想を語り、同農工学校で豚を殺す所などを見て「北海道の生徒たちには真似できない」と話す。また日系人の活躍を目にして「(日本人として)非常に誇りに思う」と滞在を振り返った。
派遣団の一人、中澤瞳さん(18)は、「想像していた日系人の雰囲気と実際とでは大きく違った」。ブラジルでは「若い人でも、日系人ならマナーを知っている。とても上品でしっかり自分の意見を持っていた。自分を見つめ直す良い機会になった」と今回習得したものは大きいようだ。
「ポンペイアでの西村農工学校の生徒との交流が印象に残る」と話す松田翼さん(18)は、「(言葉が話せなくても)気持ちは案外通じるもの」と実感、感動していた。
ほかの派遣団員も、「ブラジルの農業の規模の大きさには驚いた」「ブラジル人の〃自由さ〃を感じた」「国を発展させたいという意志を感じた」「日系人の方々の温かさを感じた」と得たもの、感じたものは人それぞれ。
十八日、ニッケイ新聞社を訪ねた一行は満足した様子で感想を話し、同日の夜の便で帰国した。
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【平成十八年度北海道農業高校生ブラジル交流事業派遣団員】団長=柴田政二団長・北海道帯広農業高等学校教諭、生徒代表=藤原儀行(18、北海道深川農業高等学校)、中澤瞳(18、北海道中標津農業高等学校)、松田翼(18、当別高等学校)、酒井正和(17、北海道静内農業高等学校)、野原慎也(16、北海道帯広農業高等学校)