2007年1月17日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二月二十二日】大統領府のシンジェル報道官によると、経済活性化包括案の不備な点の再吟味をルーラ大統領が命じたという。呪縛されたブラジル経済を解放するため数々の経済化活性案が出たが、財務省がついていけないらしいとエスタード紙は次のような論評を掲載した。
ルーラ政治を評価した国民の七一%に、納得が行くように経済活性化の中味を説明する必要がある。四年間何も出来なかったルーラ大統領に、経済活性化などできるはずがないという二三%に説明は無用である。
ルーラ大統領が就任した二〇〇三年一月一日から、経済活性化は口先だけであった。第二次政権は舞台の幕が開く前から手をたたくわけにいかない。調査によれば、ブラジルの歴史が始まって以来の名大統領という評価もある。
調査は、労働者党(PT)とブラジル民主運動党(PMDB)の大同団結の連立交渉が背景にあった。ルーラ政権が評価されるのは、前政権のマクロ経済政策を踏襲したことと、生活扶助金などの社会福祉政策で点数を稼いだことだ。
よくしゃべる大統領だ。大統領発言が公約なのかオシャベリなのか分からない。経済を活性化させるというが、前者か後者か。景気回復の景観は聞き飽きた。経済活性化案は熟慮の結果を発表するというが、何年熟慮するのか。来る四年間に熟慮と決断と実行ができるのか。
国際情勢は途上国に有利であったが、ブラジルは波に乗れなかった。経済停滞で成長率は途上国の平均以下、南米諸国でも平均以下、国家の形を成していないハイチ国並みだ。それでも、経済活性化で五%成長を達成するという計画だ。
四年間休眠状態にあったブラジル経済が、いきなり何を達成できるのか。腐っている脳ミソが名案を生み出せるのか。大統領はどこの穴に落ちて、経済活性化のインスピレーションが湧いたのだろうか。
マイホームが欲しければ、頭金を貯めておく必要がある。頭金もないのにマイホームというのは空想である。ルーラ大統領の経済活性構想には、頭金になるものがない。第一次政権の腕前を見るなら、構想は空想ではないのか。