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今年も増える借金不払い=多額の月賦抱える消費者=諸経費値上がり家計を圧迫

2007年1月16日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】二〇〇七年の金融部門は、個人の家計の改善が見られず、〇六年度のひっ迫状態を引きずった形の幕開けとなった。このため、消費者が抱える様々な借金の不払いが昨年度よりも増加、少なくとも今年一月から六月までの上半期は、昨年を上回るとみられている。
 中銀の統計によると、昨年十一月の時点で、市中の九十日間以上の支払いは遅延が七・七%に上がり、〇三年八月以来の過去最高となった。十二月度も同様のレベルに到達するとみられ、これは〇二年十二月以来の高率となる。九十日間以上の遅延のほとんどが不払いに転じることから中銀では懸念を表明している。
 この原因として、容易になったクレジット、長期分割払いによる多額の月賦を抱えこんだこと、消費以外の経費の予想以上の値上げで家計がひっ迫したことが挙げられている。とくに一般経費では学校の入学金やマンションの共益費、年頭の税金が〇六年度のインフレ率を超える値上げとなっている。
 これによりエコノミストらは、例年は不払いや滞納が三月と四月にピークとなり、その後は下火になるのに対し、今年は六カ月以上の長期に及ぶとみている。また金融機関では、今年一月は昨年同月対比一ポイントの不払い増加になると予測している。
 金融情報の専門会社SERASAは、〇六年度は前年(〇五年)対比一〇・三%増の不払いだったと報告している。〇五年度は前年(〇四年)対比一三・五%増の高率を見せた。〇六年度は買い控えなど消費者の慎重ぶりが多くみられたものの、クレジットが二四%増となり、購買意欲が旺盛なことも示した。
 同社の統計は金融機関や商店での調査によるもので、遅延日数を線引きしていないことで中銀のデータと相違が生じている。さらに同社によると、例年は不払いが四月にピークになるが(年末商品の購買の支払が完了)、今年は月賦支払期間が延長されたことで長期的になる。
 この期間に諸経費がインフレ以上の値上がりとなり、家計がひっ迫する原因となる。〇六年の広範囲消費者物価指数(IPCA)によると、公式インフレ率は三・一四%だったのに対し、自動車税(IPVA)は六・五%、それにともなう強制保険は一一・一三%の値上げとなった。マンションの共益費(コンドミニオ)は、従業員の六%昇給を受けて最低五%の値上げになると予想されている。