2007年1月12日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】ジウマ・ロウセフ官房長官は十日、国道の通行料金引き下げのため保全管理の委託入札を一時中止すると発表した。同長官は通行料金の調整水準が割高であることを懸念し、保全投資と回収状況を調べた。さらに同長官は国道の管理権付与で、ルーラ大統領の判断を仰ぐという。同長官の見方では、基本金利の引き下げが通行料金にも反映されるべきだというのだ。民間管理の入札を予定していた国道は、フェルナン・ジアスとレジ・ビテンクールを含む七区間の二六〇〇キロ。金融市場は民営化見直しに即時反応し、関連企業の株価が暴落した。
政府は会計検査院(TCU)による国道管理費と回収率の決算報告に基づき、新たな国道の管理権付与で民間企業に条件付入札を行う。新たに付与される管理権モデルは官房室で考案し、割安料金やその他基本金利と料金調整率の付帯事項が要求される。
舗装された国道は現在、五万八〇〇〇キロメートルある。そのうち一五〇〇キロは、連邦政府により民営化済み。三〇〇〇キロは、州の入札によって民営化。次回民営化の入札予定区間は二六〇〇キロ。場所はサンパウロ市/クリチーバ間の四〇一キロ。サンパウロ市/ベロ・オリゾンテ間の五六二キロなど七区間だ。
入札条件は管理権の最高提供額と通行料金の徴収最低額を基本とする。通行料金の徴収額差が五%以内なら、提供額の高いほうを取る。管理権付与の有効期間は二十五年間。
官房長官による国道の管理民営化見直し案は、金融市場に大きな衝撃を与えた。政府が実施している官民合資によるインフラ整備計画にも影響を及ぼすからだ。国道の通行料金は長期戦略においてブラジル・コストに計上されるもの。民間協力も必要だが、通行料金の調整は委託企業の一存で決まるものではないと官房長官はいう。
国道の民営化見直しは政府内でも批判が多く、通行料金の上限設定案も出た。南部と南東部の国道は、豪雨により一部決壊や土砂崩れが起こり、産業活動の停滞にもつながりかねない。政府がいい出したことだが、最終見解は直ちに表明する必要がある。
国道の破損は目に余るものがある。しかし国道の保全管理を道路公団に任せると、国家予算はいくらあっても間に合わない。仮に民営化を中止し国道の国営化に逆戻りすると、国際的な批判を浴びて外資の逃避につながる可能性もある。
ブラジルの物流システムについては産業と消費への影響を考慮しつつ、輸送コストを管理する必要があると同長官はいう。政府は公共投資と民間資本を優遇するあまり、輸送コストを忘れたわけではない。結論は、運輸省と予算管理省、陸運管理庁(ANTT)との間で協議すると同長官は述べた。
一方、運輸協会(CNT)は、良く管理された有料道路は無料の悪路より良いという評価が七九・七%に上ると発表した。CNTの計算では、一レアルの通行料金は、道路が良ければ一・八四レアルの価値があるという。燃料節約や車両破損、排気ガス、交通事故の減少というプラス・アルファーがあるからだ。