2007年1月10日付け
昨年の県連会長選挙では、現職副会長の高橋一水候補と松尾治候補の一騎打ちとなり、大きな注目を集めたことは記憶に新しい。そこで勝った松尾県連会長は百周年執行委員長を兼任し、一気に存在感を強めた。そして今年、御三家の残りの二団体、ブラジル日本文化福祉協会とサンパウロ日伯援護協会は三~四月にかけ立て続けに役員改選を予定。百周年を控えているだけに、通常よりも華やかな舞台に立つ機会の多い会長職となり、複数の候補が出るとの噂もささやかれている。そうなると、波乱を呼ぶ可能性があり、再び注目を浴びそうだ。
文協
評議員の郵便投票へ
今年も注目集まる
なんと言っても衆目を集めそうなのは文協会長だ。百周年の理事長が交代する唯一の機会は、今回の文協役員改選であり、百周年本番の成否を占う今年最大の正念場となりそうだ。
前回は直接選挙で行われ、現職の上原幸啓会長に強烈に迫った谷広海候補の追い上げ、下本八郎候補の参入など大変な盛り上がりをみせた。
今回は直接選挙を改め、会員が郵便投票で評議員を選ぶ。その評議員が会長ら新執行部を会議で決める。
つまり、いかに多くの賛同者を評議員に送り込むかが、会長候補にとっての選挙運動となる。知名度のある人物に投票が集中する可能性があるので、会長候補にとっては、いかに顔の広い候補者を確保するかが、勝敗を左右する鍵となりそうだ。
昨年の百周年記念協会の総会で、文協会長が百周年後の〇九年まで理事長を続けることが採決された。上原会長続投が規定の路線といえそうだが、現在のやり方や進捗状況に危機感を抱いている勢力がいるとの情報もあり、その確執が表面化する可能性を指摘する筋もある。
中村正広事務局長代理によれば、現在登記所に登録している新定款が来週承認される見通し。それから選挙委員会を立ち上げて、評議員選挙の細則を決める。それに従い、二~三月に候補者を募集。正補含めて全百五十人以上の立候者が必要となる。
全候補者リストを、全会員約三千五百人中で投票権を持つ約二千人に郵送する。残りの約千五百人は期限となる昨年までに会費を払っていないので、投票資格を喪失している。
会員が候補者リストにチェックをつけて返送。それを集計し、四月の定期総会で発表する手順になるという。
選ばれるのは正評議員百人で、上位五十人が任期四年、下位五十人が任期二年。次の五十人が補欠評議員で、上位二十五人が四年、下位二十五人が二年。
正評議員の過半数の支持を集めた候補が会長となる。会長、副会長七人、会計専任理事、専務理事ら十人は評議員の中から選ばれる。
援協
特別に慣例変えるか
理事内選挙で会長選任も
一万七千人の会員数をほこる日系最大の団体、サンパウロ日伯援護協会も今年三月十七日に定期総会を開催し、任期満了に伴う理事改選をおこなう。
昨年末の定例理事会で選挙委員会が発足し、現職の第一から第五副会長と専任理事、事務局長の七人がメンバーに就任。二月下旬までシャッパ(候補者連記名簿)の受け付けをしている。提出されたシャッパは同事務局内に掲示される。
今回は日本移民百周年と〇九年の援協創立五十周年につながる重要な時期で、複数のシャッパが提出されるとの噂も流れている。
定期総会後に行われる初の定例理事会で、選挙で選ばれた四十人の理事がお互いの役付けをする。話し合いで決まらない場合は、理事内で選挙が行われる可能性がある。
これまでは会長を含め現職の役付き理事が順番に繰り上がるのが慣例となっていた。
ただし、今回は〇八年の百周年、〇九年の創立五十周年があり、福祉センター建設という大きな記念事業があるため、慣例に反して「選挙で決めたらよいのでは」という声も一部では出ているようだ。
「できるだけ話し合いで穏便に」との方向性だが、それで決着が付かなければ理事内で選挙になる可能性も否定できない。
文協にしろ援協にしろ、巨額な資金が動く大事業を抱えた時期だけに、〃平時〃の会長ではなく有事のリーダーシップが発揮できる会長像が求められているのかもしれない。