2007年1月6日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】リオデジャネイロ市内で発生している犯罪組織の一連の襲撃事件を受けて、防犯対策が検討されている中で、今度は外国人観光客を乗せたワゴン車が襲われ、所持金や荷物を全て奪われるという誘拐強盗事件が発生した。観光客らは物品を奪われた後解放されたため、ケガはなかった。
一連の襲撃事件で同州政府は軍隊出動要請をすると同時に隣接州と協同で国道警備強化を申し合わせた(本紙五日付)のを尻目に、市内で大胆な犯行が発生したことで、関係者は防犯体制の基本的欠如を指摘、関係当局の怠慢を非難している。
とくに今回のワゴン・ジャックがトン・ジョビン国際空港に降り立った観光客が市内のホテルに向う途中で起きたことで、国際的観光都市のリオ市が無法化の汚名を着せられるのを懸念する声が多い。被害者の一人が「リオ市には警官はいないのか?」と憤りを見せたことにも象徴されている。これに対し同市観光局長が被害者らに陳謝した上で被害額相当を賠償することを約束する光景も見受けられた。
事件は四日午前四時二十分ごろ、トン・ジョビン国際空港とリオ市内を結ぶ高速道路上で発生した。同空港に午前二時五十五分にコロニアーリオ間のチャーター便で到着したクロアチア人、ドイツ人、オーストラリア人で構成された観光客六人が迎えのワゴンに乗り込み、市内のホテルに向かう途中で四人組に襲われた。一味は空港から尾行したものとみられている。
一味はワゴンを乗っ取り、北部のファベーラのノーボ・オランダ内で物品を奪った上で、逃走した。四日現在、犯人の足跡らはつかめていない。
連警によると、この高速道路は過去にも複数の強盗犯罪が多発していることから、要所とくにレボウサス・トンネルに防犯カメラを設置するように二〇〇三年から進言しているにもかかわらず、今になっても実現していないと非難している。
被害者らはリオ市に一カ月以上滞在する予定だったが、すぐにでも他の町に移動するとの意向を示している。