【既報関連】パラナ州連邦裁判所で8日、ペトロブラス(PB)元理事のパウロ・コスタ容疑者と闇ブローカーのアルベルト・ユセフ容疑者が連立与党3党への賄賂について証言したと10日付伯字紙が報じた。
8日の公判はペルナンブコ州のアブレウ・エ・リーマ(AL)製油所建設事業における不正に関するもので、報奨付供述という条件で証言に立った両容疑者には、最高裁の管轄となる政治家の名前は伏せるよう指示が出たものの、検察と弁護側双方の質問に真実を語る事が義務付けられた。
コスタ容疑者は、PB理事は政治家が指名後に大統領が任命しており、各部門が契約を結んだ企業は各理事を指名した政治家のいる政党に賄賂を送っていたと証言した。
サービス&技術、採掘生産、ガス&エネルギーの3部門の理事を指名したのは労働者党(PT)で、PTは契約額の最大3%を直接受け取っていた。ジョゼ・ジルセウ氏指名でサービス担当のレナット・ドゥッキ元理事への報奨金はPT会計のジョアン・ヴァッカリ氏から支払われていた。
供給部門担当だったコスタ容疑者を指名したのは進歩党(PP)で、ユセフ容疑者は、2004年にルーラ前大統領がコスタ容疑者を任命したのは、PPなどが法案審議放棄などの圧力をかけたためだという。供給部門の契約は契約額の2%がPT、0・6%がPPに流れた。また、0・2%は書類作成費で0・2%が仲介者に流れた。仲介者の取り分の7割はコスタ容疑者、残り3割は同容疑者を指名した故ジョゼ・ジャネネ下議かユセフ容疑者が受け取った。
国際部門担当だったネストル・セルヴェロー氏を指名したのは民主運動党(PMDB)で、ユセフ容疑者によれば同党への賄賂は契約額の1%。ロビー活動家のフェルナンド・ソアレス氏が金の動きを差配していた。
両容疑者はPBと契約した企業や政治家と頻繁に会っており、オデブレヒト、カマルゴ・コレア、UTC、アンドラーデ・グティエレス、イエザ、エンジェヴィクス、メンデス・ジュニオルの建設大手7社は、入札価格や落札者などを事前に決める談合(カルテル)も行っていたという。
AL製油所は56億レアルの予算で2011年完成のはずだったが、工費は既に460億レアルに達したのに未完成。ユセフ容疑者によると、同製油所建設で24億8千万レアルの契約を結んだカマルゴ・コレア社はPTとPPに各3400万レアルを払った。賄賂捻出のため水増し請求も行われたという。
また、コスタ容疑者は2010~11年、同製油所絡みで14億8000万レアルの契約を結んだオブレデヒト社からの賄賂2300万ドルをスイスで受け取っている。