スザノ文協のすき焼き祭りは、初回だけあって火力が弱い鍋があるなどの課題も見られたが、とにかく「美味しい」との声が多かった。ただし、来場者にブラジル人が多いだけに、作っている様子を見て回ると、「お椀に溶いてつけて食べるはずの生卵を鍋に入れている」「生卵を使っていない非日系人もチラホラ」「最初からうどんや野菜を鍋に全部いっぺんに入れて、野菜炒めにみたいにして食べている」などの姿も見られた。初回だけに「すき焼きとはナニか」が知られていない様子。とはいえ、まずは味を知ってもらい次に〃食べ方〃か。やっぱり日本文化〃普及には時間がかかる?
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越知恭子さんは「もともと英会話を一生懸命勉強していたんですけどね。ブラジルに来て、ポルトガル語が全然分からず苦労した」。看護学校を卒業後、東京の国立がんセンター手術室で勤務していた時、JICAの研修生として同じ職場にいた二世の夫と出会い、24歳で渡伯した。看護師時代に夜学で青山学院英文科で学び、国際的な舞台を志したが、活躍の場は英語圏の国ではなく、ブラジルとなった。「国際的な舞台」であることに間違いはなく、一世がブラジル人向けの教育に貢献するという取り組みは注目に値する。