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出席者のみなさん
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福井県人会=移住100周年と会創立60周年=記念式典に母県から20人=「県費研修で交流深めたい」

 福井県人会(有明正一会長)が12日、宮城県人会館で「福井県人ブラジル移住100周年・ブラジル福井県文化協会60周年記念式典」を行った。母県からは石塚博英副知事、田村康夫議会議長、農協関係者ら約20人が来伯し、在聖総領事館や各日系団体の代表者、県人会員ら約200人も参加した。有明会長は「盛大に式典を行うことが出来、会員一同喜びに耐えない。県費留学生は今年で188人。今後は若い人たちが交流を発展させていくと確信している」との期待を語った。

万歳をする会場

万歳をする会場


 午前9時、式典に先立って県人物故者慰霊法要がしめやかに行われた。その後、橋本巨太郎実行委員長が開会の辞を述べ、日伯両国歌斉唱、県人開拓先没者への黙祷が行われた。
 来賓祝辞では西川一誠知事からの祝電を石塚副知事が代読、「交流のかけ橋、県人の活動拠点としての役割など、県人会の活動に深く敬意を表します。今後も県費研修などを通じて友好交流をお願いしたい」と述べた。
 続いて田村県議会議長、JA福井五連・田波俊明会長、福井県日伯交流協会・大西義幸常任幹事、福嶌教輝在聖総領事、日系三団体を代表して本橋幹久県連会長、野村アウレリオサンパウロ市会議員、羽藤ジョージサンパウロ州議会議員、安部順二連邦会員議員が祝辞を述べた。アルゼンチン福井県人会の祝電も披露された。
 功労者および高齢者表彰が行われ、石塚副知事から功労者代表の山下治相談役と高齢者代表の西田はるのさん(86)へ記念品が贈られた。山下さんは福井村(ピニャール)の歴史と現状を述べ、「地域の教育発展に貢献できた事を誇りに思います」と喜びを語った。西田さんも母県への感謝を述べ、「深い郷愁を胸に第二の祖国との繋がりを強くしたい」と抱負を述べた。
 石塚副知事は「長年に渡る県人会活動は素晴らしい。県費研修などで交流を更に深めていきたい。ブラジルは発展していく国なので、研修生は各分野でそれを引っ張って欲しい」と話した。副知事から県人会と福井村文化協会(徳久俊行会長)へ記念品が、来伯各団体から県人会へ祝儀が贈られた。県人会からも日本側の団体へ記念品が贈られ、安部連邦下議は功労者表彰を行った。
 福井県日伯友好協会の大西常任幹事は表彰者を代表して感謝を述べ、「この上は、なお一層の想いと力を注ぎ、日伯両国のお役に立てるよう努力精進すると誓い申し上げます」と語った。
 石塚副知事から日系3団体へ功労金贈呈が行われ、菊地義治援協会長が謝辞を述べた。その後、県費研修生を代表して山下広治ルイスさんが母県への感謝を語り、第一回移住者・建本健介氏の孫、建本ネイデてるこさんが祖父との思い出と母県への想いを話した。
 式の最後には記念ケーキが壇上に運ばれ、ケーキカットと万歳三唱が行われた。式典は午後1時に終了し、懇談会が開かれた。福井村の西田きみこさん(87)は、「今年で来伯51年になる。福井村で県人同士の支え合いがあったから辛いことなんてありませんでしたよ」と振り返り、織田真由美さん(78)は「素晴らしい式典だった。みんなが福井村の事を褒めてくれて村民としてとても誇らしい」との感想を語った。